離れるって決めたじゃない ページ48
ずっと一緒にいたいのに
それはできないから辛くて･･･
それなら離れればいいのに
それもできなくて苦しくて･･･
離れるって決めたじゃない。
翔ちゃんの幸せのためにも。
･
･
｢ダメだよ、そんなんじゃまた体壊すって｣
｢もう、いいから放っておいてってば！｣
｢そんなに泣きすぎると喉を痛めるから｣
｢えっえっ･･･どうしたらいいかわかんないよお｣
｢はぁ、どうしたらいいのかこっちが聞きたいよ｣
ごめんね･･わかってる。
ユウくんを困らせてる。
私はどうしようもなく情緒不安定だった。
この数日、スタジオを借り切って
アルバム製作の仕上げにかかっている。
いままでの想いを込めた曲と
これからの想いを込めた曲を
あと少しなのにそのあと少しがうまくいかない。
翔ちゃんから離れると決めたのに
まだ側にいたい、離れたくないと
気持ちが揺れて動揺してどうしようもなくなる。
その気持ちの持って行き場がなくて
ユウくんに当たり散らす始末だから
･････私は最低だ。
ユウ｢ ほら、行くよ！｣
A｢え？行くって？｣
ユウくんは溜息をつきながら
スタジオにある荷物をまとめ出した。
ユウ｢これ以上ここにいても無駄だから撤収！｣
A｢アルバムまだ完成してないんだよ？
ピアノないと曲作れないよ？期限間に合わないよ？｣
ユウ｢いいからグダグダ言わないで車に乗る！｣
ユウくんに急かされて車に乗せられた。
車がスタジオからはなれると
急に焦りと不安が襲ってきた。
A｢･･･ど、しよう･･･このままじゃ･･･｣
このままじゃ私はこの現実から
逃げ出してしまうかもしれない。
ううん、いっそのこと逃げたら楽になれるかも。
こんなに辛くて苦しいのはもう嫌だょ。
A｢ユウくん、とめ･･･｣
ユウくんに車を停めてもらおうと声を掛けた
タイミングで車が止まって･･･
ユウ｢着いたよ、Aちゃん降りて？｣
A｢え？｣
すぐにスライドドアが開かれた。
ユウ｢ほらあそこ！待ってるから｣
ユウくんが指差した先に人影が見える。
A｢え？なに？だれ？｣
ユウ｢じゃあ曲が出来たら連絡して、おつかれ〜｣
私は荷物と共に路上に放り出された。
A｢ちょ･･･待って！ユウくんっ！？｣
ユウくんの運転する車はあっとゆう間に
見えなくなった。
A｢はぁ･･･マジありえない｣
｢おーい、Aちゃーん！｣
聞き覚えのある声に振り返る。
A｢え？和ちゃん！？｣
素直になりなさい･･･side Kazu→←奇跡なんて起きない･･･side Jun
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作者名：きらら | 作成日時：2016年12月27日 21時
