大切な人を幸せに ページ44
少ししてユウくんから
何枚かの写真が送られてきた。
｢･･･あ･･････っ｣
画像をスクロールする指が震える。
｢･･･ね、ちゃ･････んっ｣
涙が溢れて止まらない。
大粒の涙がポタポタ落ちて画面を濡らす。
｢あ･･･あ･･･あぁぁ･･･｣
いつの間にか声を上げて泣いていた。
その様子に驚いた杏花さんが慌てて車を止めた。
杏花｢Aっ！？一体どうしたの？｣
A｢きょ、か･･･さ･･･これ･･･｣
涙を拭いながら杏花さんに携帯の画像を見せる。
杏花｢え･･･これ、え？ウソでしょ･･･｣
A｢お･･･ねちゃ･･･生きてた｣
杏花｢ほ、んとね･･･ルリだわ･･･
あんなに探しても見つからなかったのに･･･っ｣
杏花さんはよかったよかったって
私を抱きしめながら私以上に泣いていた。
そしてユウくんから送られてきた最後の写真を見て
お姉ちゃんなんだと確信する。
そこにはあの耳朶を摩りながら微笑む姿があって
その耳にはあのダイヤのピアスが光っていたから。
ユウ｢もしもしAちゃん？｣
A｢うん｣
ユウ｢お姉さんだよね？間違いない？｣
A｢うっ･･･ん｣
ユウ｢お姉さん、名字が変わってた｣
A｢ひとり･･･なの？｣
ユウ｢うんん、男の人と暮らしてるみたいだけど｣
結婚するって言っていたことを思い出した。
ユウ｢どうする？話してみる？｣
ユウくんはそう言ったけど
いまはまだ心の準備ができていない。
A｢今日はこのままでいい･･･｣
ユウ｢じゃあもう少し様子見てから帰るね｣
A｢ユウくん、ありがと｣
そしてひとしきり泣いた後、、
私がこれからしようとしている事を
杏花さんに話してみた。
杏花｢･･･本当にそれでいいの？｣
A｢もう決めたから｣
杏花｢そうすることでAは楽になれるの？
私はもうAの苦しむ姿を見たくないのよ｣
そうだ、杏花さんには今まで
たくさん迷惑をかけてきた。
A｢楽になれると信じてる｣
たとえこの想いが途切れても
翔ちゃんを好きになったことは
絶対に後悔したくない。
杏花｢それで前に進めるならそうしなさい｣
A｢ん･･･っ｣
いまでもこんなに好きが溢れてる。
考えただけで泣いちゃうくらいに･･･
私にとって、とても大切な人。
だからこそ、、
大切な人に幸せになってもらいたい。
大切な人を幸せにしてあげたいから。
･･･私は翔ちゃんから離れることに決めた。
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作者名：きらら | 作成日時：2016年12月27日 21時
