背中が熱い･･･the past ページ17
RRR･･･RR･･
車内でお姉ちゃんの携帯が鳴り響く。
ルリ｢あ、翔からだわ｣
｢ええ、いま一緒にいるわ｣
｢大丈夫よ、心配しないで｣
｢雨に濡れて体が冷えてて｣
｢お願いね翔、ありがとう｣
翔ちゃんと話してるお姉ちゃんは
なんだか嬉しそうで。
ルリ｢翔がお風呂入れて待ってるって｣
お姉ちゃんの耳に光るダイアのピアス･･･
いまでも大事にしてるんだね。
ほら、そうやって耳朶をさするクセ。
そこにあることを確認するように
それを愛しそうに何度も指で確かめる。
･･･わかる。
私にはわかる。
お姉ちゃんはいまでも
翔ちゃんを愛してる。
うんん、最初からずっと･･･
翔ちゃんだけを愛してる。
･･･翔ちゃんだってそう
A｢･･･私･･｣
ルリ｢なにか言った？｣
A｢うんん、なんでもない｣
ルリ｢さあ、マンションまで送るわね。
翔に会ったらちゃんと話をするのよ｣
A｢お姉ちゃんは？｣
ルリ｢私は帰るわ｣
A｢帰るってどこに？｣
ルリ｢･･･どこって｣
A｢私じゃないよ？｣
ルリ｢え？｣
A｢翔ちゃんが待ってるのはお姉ちゃん｣
ルリ｢もういいのよ｣
A｢だってお姉ちゃんはいまでも翔ちゃんを｣
ルリ｢違う･･うんん、違わな･･･｣
お姉ちゃんはそこで言葉を飲み込んだ。
ほら、また･･･そのクセ･････
車が赤信号で止まる。
ルリ｢A･････ごめんね｣
耳朶をさする指が震えていた。
わかっていたはずなのに･･･
ふたりの気持ちはいまでもつながっているのに。
どんなに足掻いても私の気持ちは届かないのに。
でも･･･でも、でも、、、
やっぱり私は翔ちゃんが好き、大好き。
何をどう考えてもそれだけは絶対に譲れない。
ルリ｢あ、翔だわ。ほらあそこ｣
道路の向こう側で傘をさして手を振る
翔ちゃんの姿が見えた瞬間･･･
私の黒い感情が爆発してしまった。
A｢ダメ･･･やっぱりダメっ！！｣
ルリ｢Aっ！？なにするの？｣
私は咄嗟に身を乗り出しハンドルを掴んだ。
バランスを崩した車は
雨で濡れた路面の上で
違う方向へと流れてゆく。
ルリ｢キャー･･･｣
そしてお姉ちゃんの悲鳴とともに車は傾いて
体がグルリと円を描いた。
次の瞬間、味わったことのない衝撃が
体全体に走った。
｢･･･っく、おね･･･ちゃ｣
｢････････｣
背中が焼けるように熱くて
目を開けてるのに何も見えなくて
私はそのまま意識を手放した。
片想いで終わらせないために･･･side Kazu→←謝りたかった･･･the past
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 158人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きらら | 作成日時：2016年12月27日 21時
