それ以上の後悔･･･the past ページ15
｢離してってば！！｣
抵抗したけどお姉ちゃんの力は強くて
助手席に押し込まれた。
バタンッ
すぐに車から飛び出すこともできたけど･･･
さっきのお姉ちゃんが言ってた事を
翔ちゃんに確認したいと思ったから
私はすぐにおとなしくなった。
雨に濡れた衣服は重く
シートから足元へと水が滴り落ちてゆく。
ルリ｢･･･どうしよ。拭くものがないわ｣
車内を見回しながら
濡れた髪をかき上げるお姉ちゃんは
こんな状況でも変わらず綺麗だった。
カバンの中からハンカチを探し当てると
それで私の顔を髪の毛を拭ってくれる。
ルリ｢こんなんじゃダメね･･･｣
小さいハンカチじゃ拭えないくらいで
手のひらで頬に伝う水を振りはらう。
ルリ｢･･･ホントに･･･間に合ってよかっ･･｣
お姉ちゃんは泣きながら私を抱きしめる。
背中に回された両手で
力いっぱい抱きしめられた。
ルリ｢お、ねが･･だから･･･どこにも行かないで｣
その手はあたたかくてなつかしくて
お姉ちゃんの温もりが私の冷えた心に
ジワジワと染みてくる。
込み上げてくる感情に涙が溢れ出した。
A｢えっ、えっ･･･｣
ルリ｢ほら、もう泣かないの｣
A｢･･･んっ｣
私の頬を撫でながら顔を覗き込んで話しかける。
いつもの優しいお姉ちゃん･･･
小さい頃からこうしていつも
私はお姉ちゃんに護られてきた。
A｢･･･ねちゃ･･おねえちゃ･･･おねえちゃん！｣
ルリ｢え･･･？A！？｣
狭い車内で私は身を乗り出して
お姉ちゃんの体にしがみついた。
A｢こわ、かった･･･こわかったょ｣
ルリ｢あたりまえでしょ、あんなことして･･･｣
A｢ごめ、なさ･･･ごめんなさい｣
あの時、、
お姉ちゃんに腕を引かれなければ･････
私はいまここにはいなかったかもしれない。
そう考えたら、足がすくんで身体が震えた。
ルリ｢やだ、震えてる、寒いの？｣
名前)｢･･･ね、ちゃ･･･っく｣
ルリ｢風邪引いちゃうわね･･家までガマンできる？｣
A｢･･･んんっ、できない｣
ルリ｢フフ･･･ワガママ言わないの｣
お姉ちゃんの微笑む顔を見て
私は私のしたことを後悔した。
したのに･･････
私はどうしても
翔ちゃんとのキモチを繋ぎとめたくて
それ以上の後悔、ううん･･･
この先もずっと苦しむような罪を
私は犯すことになる。
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作者名：きらら | 作成日時：2016年12月27日 21時
