いま確かにわかること･･･the past ページ14
｢あ･･･あァァァ･･･ァァ｣
私は声を上げて泣いていた。
溢れる涙が全身を包み込む。
このまま溺れてしまえばいい。
｢はぁ･･･はぁ･･･んっ･･く｣
苦しくて息ができない。
溢れる涙が全身を包み込む。
このまま消えてしまえばいい。
｢あ･･･いっ･･･｣
全身の力が抜けてその場に崩れ落ちた。
いつの間にか降り出していた雨が
バシャバシャと音を立てて地面を叩きつける。
翔ちゃんが好き、大好き。
ずっと一緒にいたかった。
他になにもいらない。
ただそれだけなのに。
そんな願いさえ叶わなかったんだ。
いま確かにわかることは
もう二度と、、、
｢キモチハツナガラナイ｣
この現実を受け止められないなら
私はこのまま消えるしかないんだ。
目の前を交差するヘッドライトに
吸い込まれるようにフラフラと歩き出した。
プアーーーーーーーーッッ
クラクションが高鳴り
その方向へ身を任せた。
｢･･･Aっ！？｣
腕を引かれ歩道に倒れ込んだ。
顔を上げるとそこには肩で息をしながら
雨で全身びしょ濡れになったお姉ちゃんがいた。
A｢お、ね･･･ちゃ｣
ルリ｢なにしてるの！？ねえなにしてるのよ！｣
肩を掴まれ揺さぶられた。
A｢も、いいの･･･私は消えるから｣
ルリ｢なっ･･･バカ！｣
頬を叩かれ痛みを感じた。
A｢いっ･･私なんかいないほうがいいんだよ｣
ルリ｢な、んで･･･？｣
A｢私はジャマだから！お姉ちゃんだって･･･｣
ルリ｢お姉ちゃんが思うわけないでしょっ！｣
A｢だって･･･私がいなければ
翔ちゃんとお姉ちゃんは離れること、なかった｣
ルリ｢Aっ！？それは違うわよ！｣
お姉ちゃんは泣きながら私を抱きしめた。
土砂降りの雨が私たちの体を打ちのめす。
いいの、わかってるの･･･
どんなことしても私はお姉ちゃんに敵わない。
翔ちゃんはいまでもお姉ちゃんを愛してるの。
A｢だから、もぅ･･･｣
ルリ｢違う･･･違うの｣
お姉ちゃんのしなやかな指が私の頬を撫でた。
ルリ｢Aの気持ちを受け止めるって｣
A｢え･･･？｣
ルリ｢Aのそばにいてやりたいって｣
A｢･･･しょ、ちゃんが？｣
ルリ｢そうよ、翔が言ったの｣
A｢ウソだよ･･･｣
ルリ｢ウソかどうか翔の口から聞きなさい！｣
A｢い、や･･･離して！｣
お姉ちゃんに腕を掴まれ引きずられるように
私は車に乗せられた。
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作者名：きらら | 作成日時：2016年12月27日 21時
