わんだふる あにまるず！

○ ページ29

宮舘 side


仕事から帰ると部屋が真っ暗で、ちょっと違和感。またねこに戻って寝てる？今日出かけるって言ってたっけ？なんて思いながらドアを開ければ、しょうたの靴は、そこになかった。

ふっかのところに行ったのかな？と思って照に電話をかけたら、ふっかもいないって言うし、だいすけもいないって連絡来てるし、てことはおそらくこうじもいないし…何が起きてるんだろう。


「ごめんな舘さん、家借りちゃって」

「大丈夫、どう考えても一大事でしょこれは」

「お邪魔します、ほんっとに何考えてんだか…」

「連絡ありがとうございます。まじ焦ったぁ…」


とりあえず話そうということで、急遽俺の家に集合。この前も集まったけど、その時とは全然違うピリついた真剣さ。パートナーが行きそうなところや行くところ、最近一緒に行ったところをリストアップしていく。


「ふっかとこないだゲーセン行ったよ。ふっか、クレーンゲームにハマっちゃって」

「しょうたは最近ショッピングモールにひとりで行ってた。気に入ったお店があるって」

「だいすけは、アニメグッズが売ってるお店に行きたいって。今度の休みの日に行く約束もしてる」

「こうじは…写真が好きだから、ふらっと公園とか川沿いとか行くっぽい」


バラバラすぎて見当も付かないから、とりあえずいくつも書き出しておいた。阿部の意見で、近況から絞り出そうということになったから、最近のパートナーの様子を伝え合う。


「しょうたはひとりで行動できるようになってきたよ。前もって予定があれば、どこに行くとか何時に帰るとかは言ってくれるから、ふらっといなくなるのは初めてだけど…」

「だいすけも結構出かけてるみたい。いつもは置き手紙してくれるから、あんまり心配してないけど、たまに迷子になるからそれは不安かな」

「こうじは一昨日初めてひとりで出かけたから、いなくなるなら誰かといるはず。まあたぶん、4人でいるんだろうけど」

「ふっかもひとりで出歩くよ。ただ、知らない人から連絡先もらったりしてくるくらい無自覚の人たらしなんだよね」

「…その人に、とか新たに声掛けられた人に、みんなでついてったとか会いに行ったってことはない？」


阿部が、怪訝そうな顔で照を見つめる。ありえるかもしれない、なんて空気が4人を包んだ。

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