MIRACLE twins 9

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家族の形 六年三組 深澤翔太

僕は、五人の兄と一人の双子の弟と、七人で住んでいます。兄たちは、小さいころから僕たちの親代わりになってくれました。

今年の持久走大会は、最後だから十位以内に入りたいと思っていました。でも当日は、仕事か大学があって行かれないと、みんな僕と涼太に謝ってくれました。僕たちのために働いてくれているのはよく分かっているので、さみしいけどしょうがないねと二人でこっそり話をしました。

応援に行けないからと、三番目と五番目の兄は、本番の日まで毎日僕たちと一緒に家の周りを走って、アドバイスをくれました。料理担当の四番目の兄は、健康を考えたメニューにしてくれました。二番目の兄は、練習をして疲れた体をマッサージをしてくれました。

そして当日、スタート地点も走るコースも、たくさんのお母さんやお父さんであふれているところを見て、少し寂しくなりました。でも、一番上の兄が、行けないと言っていたのにゴール地点で誰よりも張り切って応援してくれていたのです。

「がんばれ翔太、最後一人抜けるぞ！」

いつもなら、うるさいと思うくらいの声だったけど、兄のその言葉で体に力がわいてきて、二人抜かして六位でゴールすることが出来ました。後から聞いたら、僕たちをおどろかせたくて、内緒で仕事を休んでくれたそうです。

僕は、何でも素直に言える涼太とは違って、思っていることを言葉にするのが得意ではありません。はずかしいし、どう思われるか不安で、いつも素直になれません。でも、卒業なので、きちんと伝えたいなと思います。

いつも支えてくれてありがとう。たくさんめいわくかけてごめんね。わがままもたくさん言ってごめんなさい。両親がいなくてさみしいこともたまにあるけど、こんなに頼れるお兄ちゃんたちが五人いて、一生の相棒がいて、僕は幸せです。

中学生になったら、小学校生活で学んだことを活かして、もっと家族のために行動できるようになりたいです。

＊

ふふ、泣けちゃうでしょ？先生と何回も何回も考え直して、一番いいのが書けた！って喜んで帰ってきたんだよ。一生残るものに俺たちへの感謝を綴ってくれるなんてね、ほんとに幸せな兄貴だよ。



fin.

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