音にゆだねて 3

☆元気なきみへの恩返し・Snkj ページ4

［fk］


久々に全員揃う日。康二がラジオで零した「寂しかった」の言葉が、俺の頭に残っていた。本当なら会えたのに会えないのは確かにもどかしかったなあ。


「久しぶり、心配かけました」
「国王！お待ちしておりましたぁ！」
「…おかえり」


舘さんに駆け寄るみんなを写真に収めてうるうるしている康二に、ゆっくり歩み寄った舘さん。


「待っててくれてありがとうね」
「だて…！」


ぎゅっと抱きしめて頭を撫でた舘さん。すると、もぞもぞしていた翔太がやってきた。


「これやる」
「へぇ…？なに？」
「お前が泣くから、寂しくないように、って思って」


袋には、デジタルフォトフレームが入っていた。照れて素っ気なく話すのが翔太らしい。


「康二、ほらおいで」
「あべちゃん、」
「もう、遠慮しないの」


普段べたべたしたがらない阿部ちゃんから来ていいって言われて戸惑っているらしい。その背中に佐久間が飛び乗った。


「…っ！？」
「佐久間ぁ！俺が重いじゃん！」
「えへへぇ、でも康二あったかいでしょぉ？」


佐久間のせいで阿部ちゃんになだれ込んだ康二は、驚いているけど幸せそう。そこにラウも混ざりにいった。…阿部ちゃんは苦しそうだけど。


「ちょっと待って重い…！」
「こーじくんが撮ってくれた写真見たら元気でたよ！」
「ほんまぁ？嬉しいなあ」


阿部ちゃんの上で盛り上がる人たちを見かねた照が寄っていった。


「ラウ、佐久間。阿部しぬよ。康二、トレーニングする？」
「する！照にぃ、腕やりたいねん」
「ん、じゃあちょっとずつな」


まさに兄弟だよね、上手に甘やかして、たくさん甘えるいい関係。汗をかいたところに目黒が声をかけた。


「シャワー」
「へ？」
「浴びないの？なら一人で行くわ」
「行く！待ってめめぇ！」


ドタバタ出ていった2人。戻ってきたときにはかなり楽しそうで、きっと大はしゃぎしたんだろう。


「康二。座んな」
「なにふっかさん、」
「何で警戒すんだよ(笑)乾かしてやるから」


わしゃわしゃやりながら、癖のあるふわふわの髪を乾かしていく。


「ラジオ楽しかったなあ」
「だねえ。みんなに会えるっていいよな」


頷いて微笑んだら、立ち上がって佐久間に突進して、もういつもの賑やかさ。康二がエネルギー切れのときは、俺らが貰った分以上を返すよ。これからもたくさん笑わせてね。


fin.

・・・・・
Req：寂しかった康二くんを久々に会った皆が甘やかす
リクエスト ありがとうございました！

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