○煌めく貴方・dtnb ページ22
[nb]
出かけると言う涼太を見送ったのが3時間以上前。買い物に時間を掛けるタイプでもないし、そもそも買い物なら俺に言うはずだし。
「…遅い」
夕飯の買い物か、だとしたらエコバッグがあるのは何故?すっとこどっこいが出ただけ?いろんな考えがぐるぐる回って止まらなくなる。
柄にもなく泣きそうになって、玄関で涼太を待つことにした。こんなに女々しい部分が隠れていたなんて知らなかったし、知りたくもなかった。
「ん、…あれ…?」
「起きた?おはよう。玄関で寝てたよ」
「涼太…?」
物音で目を覚ますと、身体に掛かっていた涼太のコートが床に落ちた。涼太の声だけがキッチンから飛んでくる。
「もう少しでできるから寝てていいよ」
「やだ…おきる…」
待ち望んでいたのに寝ていたなんて。目を擦って逞しい背中にしがみつく。
「ふふ、待っててくれたんだ?」
「ぅん…、おそかった」
「そっか、寂しかったね、ごめんね」
お腹に回した手を握られただけで、気持ちは満ちていくから不思議だ。首筋に顔を埋めてすんすん匂いを嗅げば、目も覚めたし大満足、と思って顔を上げた。
「、ぇ?」
「気づいた?どう?」
「そ、めてる」
「うん。雰囲気は損なわないまま染めようと思ったんだけど、似合う?」
はにかむ涼太の髪の毛は綺麗なシルバーに染まっていて、ミルクティー色以来の派手髪に俺の心拍数は上がりっぱなしだ。
「っうわ、…ふふ、どうしたの?」
「…見られない」
「何でよ〜、翔太に褒めてほしかったなあ」
「…か、っこいい。似合うな」
目を見なければ褒め言葉が口にできた。このかっこいい涼太を最初に見たのは俺?あ、美容師さんか。最初に褒めたのは…それも美容師さんかもしれない。涼太が最初に見せたかったのは…本当に俺?
「翔太。どうしたの?」
「それ、…俺が見たの最初?」
「うん、美容師さんと、すれ違った人たちを除けばね」
「じゃあ涼太が、…あ、やっぱいい」
「俺はね、誰よりも早く翔太に見せたいなって思って帰ってきたんだよ」
最後まで言っていないのに、汲み取って不安を拭い去ってくれた涼太。熱くなる頬を、今度は正面から涼太の肩口に押し付けて隠した。
「翔太も髪明るくすれば?お揃い」
「っ、恥ずかしくて無理」
「そう?じゃあ俺の代わりに黒でいる?」
「…そうする」
ああもう本当に、いつも一枚上手の涼太には今後も敵いそうにない。
fin.
・・・・・
国王の銀髪 麗しい…!というお話でした。
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(名前)vivid(プロフ) - kjnbリクエストありがとうございました。普段はきっと甘々のこうじが怒ると強気になるあたりとか、素直になるのに時間がかかりそうなしょったがリアルな感じで(リアル知らんけど^^;)今回も素敵なお話に仕上げていただき感謝感謝でございます。 (2021年3月20日 20時) (レス) id: 99ce633299 (このIDを非表示/違反報告)
涼花 - ぴぴぴさん» そうなんですね!こちらこそ申し訳ありません!nbdtではなくdtnbの裏でお願いします! (2021年3月19日 13時) (レス) id: 62f3f5b8cc (このIDを非表示/違反報告)
たまなべしか - リクエスト失礼します!Snnbが見たいです!シチュはお任せですけど、甘めのが見たいです、笑お願いします! (2021年3月18日 22時) (レス) id: 871cb15b8a (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴぴ(プロフ) - 涼花さん» リクエストありがとうございます。大変申し訳ありませんが、作者の嗜好により、nbさんは右固定とさせて頂いております。dtnbに変えていただくか、nbさん以外の組み合わせでdtさん右側のお話にするかして頂ければお応えできそうなのですが…ご検討をお願い致します。 (2021年3月17日 21時) (レス) id: 8f8d80ef37 (このIDを非表示/違反報告)
涼花 - リクエストです!よければゆり組の裏をかいていただけないでしょうか?dtが右側でお願いします! (2021年3月17日 20時) (レス) id: cd85513470 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴぴぴ | 作成日時:2021年1月20日 21時