音にゆだねて 3

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［sk］


「佐久間…？…は？何してんだお前」
「おい！佐久間いた！こっち！」


翔太と照が駆け込んできた。そいつはものすごい速さで仕留められ、俺は翔太の上着を掛けてもらった。


「大丈夫。みんないるから」
「翔太、」
「いいよ、見てない」


泣きそうな俺に気づいて、顔が見えないように抱きしめて頭を撫でてくれた翔太。ぼろぼろと涙が溢れて止まらない。


「目黒、阿部。一緒に押さえて。ラウ？康二と舘さんと、スタッフさんたちのとこ行ってきて」
「うん、わかった！」
「延期と告発でいいね？」
「任しとき！ばっちり言うてくるわ」


指示する照の声、みんなの足音、翔太の心臓の音が俺を落ち着かせてくれる。さくま、とやさしく呼ばれてあったかい手が触れた。


「ごめんな、疑ってやれたらよかった」
「違う、ふっかのせいじゃない」
「そうかぁ？でも佐久間のせいでもないよ。怖かったね」


やっぱり頼りになるなって、悔しいけど実感する。涼太たちが連れてきたスタッフさんの怒号と平謝りするあいつの声が遠くなった頃、涼太が横抱きにして楽屋に連れ戻してくれた。

あの人はお偉いさんに怒られて即クビらしい。俺に謝りたいと申し出たのを「近づくなんて言語道断だ！」と一喝してくれたらしい。


「いい？これからしばらく佐久間は1人にならないこと。基本は阿部の家に居候」
「ええ…そこまで…？ムーンちゃんは…？」
「ムーンちゃんも大事だけど、お前の命が俺らは大事なの」
「はぁい…」
「お仕事も、ソロの時ら誰かついてくから」


という照の宣言通り、俺は毎日阿部ちゃんと過ごしたし、番組にひとりで出る時にはめめがついてきたし、ゆり組からはたまに電話がかかってきたし、ふっかなんて突然阿部ちゃんちに押しかけてきたりもした。


「ごめんねぇ、心配かけて」
「ごめんじゃないでしょ、なんて言うの？」
「…にゃは、ありがとぉ」


阿部ちゃんとふたり、康二から送られてきたドラマ班・代役ラウールの動画を見て笑ったあと、ぽつりと呟いた。阿部ちゃんに宥められて言葉を変えたら、嬉しそうに笑ってくれたんだ。


「佐久間さん、完！全！復！活！」
「復活したらしたでうるせえな…」


そんなこと言って、みんな元気な佐久間さんのほうが好きでしょ！笑ってくれてありがとう、助けてくれてありがとう！


fin.

・・・・・
Req：skがモブキャラに襲われているところをメンバーが助けて過保護になる話
リクエスト ありがとうございました！

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