【薄桜鬼沖田総司】君を探していました〜 ヴァンパイアな彼と過ごす日々〜

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「以前大掛かりな魔女狩りにて、キャロライン一族の処分を命じた。
妊娠していたためリディア・キャロラインの処分を先延ばしにしていたが、今日出産との報告が入ったため…」

もし、くだらない人間たちがいなかったなら

もし、私が普通の人間だったなら

娘と一緒に、ずっと一緒にいられたのかしら


名前は夫と考えて

花のリースの作り方を教えて

可愛らしいドレスをプレゼントして

ずっと幸せでいられたのかしら



「リディア・キャロライン、何か言うことは？」


「…私のことは、どのようにしてくれてもいい。焼こうが溺れさせようが好きにすればいい。
…だけど、娘だけは助けて。
娘の命だけは、助けて下さい」


「魔女の生き残りを残しておくわけにはいかん！」

「…娘自身が、自分が魔女ってことを知らなければ、魔力を使って何かしようだなんて思わないわ。
それに、私の娘は、貴方達とは違って醜い憎しみになんか支配されない。必ず優しい子に育つもの」

「うるさい女だな！立場を考えんか！」

「…娘自身が、魔女の一族だってことを知らなければいい話。そう言ってるんです。

生まれてきた娘の分も、罰を受けます。無実のね」

________

リディア・キャロライン
魔女狩りの際に妊娠していて、数ヶ月経った頃娘を出産した
1658年7月8日処刑

リディア・キャロラインの娘
白魔女キャロライン一族の生き残りとなる。国からは追放し、町外れのアギーレ家に引き取られる。その後は不明


魔女狩りについての資料に記された、彼女らの記録はこれだけだった

________

「君のお母さんは、君を守ろうとしたんだ」

「…お母さん…」


一度も見たことのないお母さん

一度も触れたことのないお母さん

私を守ろうとしたお母さん

そこから計り知れない親子の愛を感じた


「僕は元々、キャロライン一族とは仲が良くてね。よくお世話になってたんだ。君のお母さんは、僕にとって妹のような存在だった。
いてもたってもいられなくて、処刑前の君のお母さんに会いにいった。そうしたら『娘を、幸せにして』って言われた。」


「…そう、ですか」


私の命は今、お母さんの屍(しかばね)の上に築き上げられているんだ。


そして彼はお母さんに言われて、私にこんな親切にしてくれるんだ

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