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斎藤side


俺が後ろ手にドアを閉めジャケットを脱ぐと、ソファに座っていた彼女がハッとして立ち上がる


「お帰りなさい、お邪魔しています」


俺はそこにある椅子にカバンとジャケットをかける



「あぁ、あんたが(人1)・キャロラインだな」

「あっ、はい、そうです」

「ラティスのことで話すことがある」


ラティス、という彼の名前を聞くと、(人1)は真剣な顔つきになる

この顔を見ていると、大体のことは予想済みなのだろうか



_________



茶をいれ、二人で向かい合わせに座る


「申し遅れたのだが、俺はハーマン・サムエルという。ここの家の主だ。ハルと呼んでくれ」

「はい。先ほどお姉さまから伺っております。…で、あの…」


言葉に詰まる彼女


「ラティス、か」

「あっ…はい」



「単刀直入に言うと、ラティスに仕事ができてだな。家を空けないといけないらしい。
あんたをその家に一人にするわけにもいかない故、彼はあんたをここに預けると言っていた」

「そうなんですか…」



さっきまでの心配でたまらないような表情が、少し溶けたような気がした


「あの、その仕事って危なくないですよね?」







『仲間と決着をつけてくる』



『もしかしたら、生きて帰ってこれないかもしれない』







「それは分からんが、あいつは強いしそんな事簡単にやってのける男だ。心配いらない」


「…ですよね。でも…」


「どうした?」


「なんで、私に言わなかったのでしょうか…昨日まで一緒に、普通でいたのに」





あんたと、離れ難くなるのが嫌だったのだろう。

自分で決心したことが、揺らいでしまうのを防ぐためだろう。



だが、そんなことは口が裂けても言えない




「仕事が決まったのが急で、言うタイミングを逃したのではないか?」


「ですよね、そうですよね」




あはは、質問ばかりごめんなさい、と苦笑いする(人1)。

やはり心配そうである




あんたも分かっているのだな。

彼は、ラティスは、知らぬうちに自分を苦しめてしまうようなやつだと言うことを。








「大丈夫だ」






「…え?」







俺は、人と目を合わせたりするのは好きではない





だが、この時はなぜか自然と





彼女の目を真っ直ぐに見て







「彼が無事に帰ってくるまで、あんたのことは、俺が守る」








そう言えたのは、何故だろうか

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扇華→(プロフ) - 時間かかるからね〜 (2015年11月27日 23時) (レス) id: 609cdd1d5c (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 扇華→さん» きっ、筋肉が出来るまでの過程…!!それは新しい試みだっ…!(目キラキラ)← (2015年11月27日 22時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
扇華→(プロフ) - そうなんですよ〜これが良いんですよね!運が良ければ、水泳始めた頃からずっとほどよい腹筋が出来るまでを見ることができますよwww (2015年11月27日 21時) (レス) id: 609cdd1d5c (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 扇華→さん» それはそれは…大変ですね…頑張ってください!応援してますよ!! いやあのね、水泳やってる人の筋肉は本当に素晴らしいと思いますよ私。あの、ガチガチじゃないというか、ほんのりではないというか。とにかく程よい筋肉なんです((( (2015年11月27日 6時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
扇華→(プロフ) - 一年生で部長やってますwww本当にたまりませんよねぇ… (2015年11月26日 21時) (レス) id: 609cdd1d5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドラごん | 作成日時:2013年8月29日 22時

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