33曲目 物置部屋 ページ33
YOU side
SC「あ、Aちゃん。」
事務所内を歩いていたらエスクプスさんに会った。
動きやすいTシャツ姿のエスクプスさんは今まで練習していたのか汗でキラキラしている。
汗をかいてても綺麗とかさすがアイドルだなぁ。
『……こんにちは、あの、これ』
さっき自動販売機で当たってジフンさんにあげればいいかなと思って選んだスポーツドリンクをわたす。
SC「え？いいの？ありがとう。」
そう言ってエスクプスさんが笑った。
笑った顔がなんだかジホに似てる。
そう思いながらエスクプスさんの顔を見る。
SC「どうしたの…？」
見つめすぎてたかも知れない。
急いで目を離してお辞儀をして作業室に戻ろう。
そう思って腰を少し曲げたとき遠くから叫び声がした。
「Aちゃんさーん！！居ませんかー！！」
「ヒョン、Aちゃんさんって…Aさんでいいんじゃないですか？」
「あ、たしかに。Aさーん！」
確実に誰かが私を呼んでいる。
だんだん手が震えてきた。
なんて言うんだろう。対人恐怖症？
いつも体が勝手に反応するんだ。
治さないと治さないと、そう思えば思うほど手が震える。
その間にも足音はどんどん近づいてきた。
SC「あー全く。あいつら。」
そう言ってエスクプスさんは私の震えた手を引いて近くの物置部屋に入った。
床にしゃがんで人がいなくなるのを待つ。
SC「ごめん、うちのメンバーが…」
薄暗い物置部屋の中でクプスさんが小声で言う。
謝らないで欲しい。
悪いのは私なのに。
『ごめんなさい…迷惑かけたくないのにっ…』
私がそう言うとクプスさんは優しく笑って私の両手を大きな手で包み込んだ。
SC「自分のペースでいいんだよ。Aちゃんが会いたいと思えたらうちのメンバーたちに会ってあげて。多分喜ぶから。」
クプスさんはそういうと手をパッと離し、急に立ち上がった。
そしてスポーツドリンクありがとう、と言って走って部屋から出て行ってしまった。
……クプスさんはいつも私の気持ちを明るくしてくれる。
そう思いながら私は立ち、開ける前に一回笑顔を作ってから物置部屋のドアを開けた。
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スピカ(プロフ) - anzuさん» コメントありがとうございます！大好きだなんて！……照れます。すごく嬉しいです！ (2020年12月25日 18時) (
レス) id: b2170b3322 (このIDを非表示/違反報告)
anzu(プロフ) - 大好きなお話なので更新嬉しいです！これからも応援しております！ (2020年12月25日 18時) (レス) id: 2d5dcafa21 (このIDを非表示/違反報告)
スピカ(プロフ) - はなやさん» ありがとうございます！すごく嬉しいです！ (2020年10月7日 6時) (レス) id: b2170b3322 (このIDを非表示/違反報告)
はなや - スピカ様の一つ一つの言葉遣いがとても綺麗で、読んでて楽しいです。ほんとに好きです。応援しています (2020年10月7日 2時) (レス) id: f5341d42e0 (このIDを非表示/違反報告)
スピカ(プロフ) - ゆみんさん» わぉ、とても嬉しいお言葉…！ありがとうございます！ (2020年10月4日 15時) (レス) id: 4505508c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スピカ
| 作成日時：2020年5月10日 17時
