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レトロゲームイベントから少し経ったある日、牛沢さんのYouTubeチャンネルには、その動画がアップロードされていた。
もちろん再生回数は今も伸び続けているわけなんだけど、改めて、自分が何万人という人々に見られていると思っても、実感が湧かない。
まぁ、視聴者の殆どは牛沢さんを見るために動画を開いているわけだから、実際、自惚れみたいなものだよね。
なんて思いとは裏腹に、店への客足は以前より少しばかり増えていた。私はレジの近くに置いてある椅子に座りながら、店内を軽く見回す。
今店内にいらっしゃるのは、男性が3人と女子高生が1人だ。ウチの店に女子高生が来るのも珍しいので、何だか気になってしまう。
「あの…すみません」
『はい。お伺いします』
声をかけてきたのは女子高生の方からだった。
近辺ではあまり見かけないセーラー制服と、うなじあたりで括られた黒髪が印象的で、なにか探している品物でもあるのかと私は席を立つ。
彼女はスクールバックをギュッと握りしめ、私の顔を確認すると少し吃るように唇を開いた。
「う、牛沢さんの動画に出てた方ですよね！！牛沢さんって、ここの常連とかですか！？」
『えっ？』
これは、どうしたものか…。
さっきまで寝ぼけ眼だった私の脳みそが、フル回転で動き出した。
彼女が言ってるのは、おそらくこの間の実写動画のことだろう。というか、あれから私を知ったとしても、どこから私がこの店の人だとバレたのだろう。
いや、全然バレる分には構わないけどね。
とは言え、人様の情報をポンポンと教えられるわけがない。
…だからといって、私の顔がバレている以上『えぇ、なんのことですか？』なんてすっとぼけが通用するとも思えない。
覚悟を決めた私は、少し浅く息を吸って彼女を見つめた。
『すみません。そう言ったお話にはお答え出来ないんです』
「す、少しだけでもいいんです！いつも何時頃来るんですか？サインとか置いてありませんか？」
出来るだけ角が立たないように答えたつもりだったが、それが裏目に出てしまった。
彼女はまくし立てるように、私に詰め寄ってくる。その目には恐らく牛沢さんしか映っていないのだろう。
頭の片隅で、最近の子はすごい積極的なんだなぁ。なんて呑気な事を考えてしまった。
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花音(プロフ) - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になりますがまったり待ってます(*´-`)これからも応援してます(^○^) (2022年7月6日 12時) (
レス) @page17 id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
ﾎﾟﾙｷ(プロフ) - わわさん» コメントありがとうございます！できるだけリアル感を求めてかいているので、嬉しいです…！現在作成の時間がなく、更新ができておりませんが今後ともよろしくお願いします！ (2022年7月2日 2時) (レス) id: e15fb03a9c (このIDを非表示/違反報告)
わわ - 主人公常識的で好きです... (2022年6月24日 6時) (レス) @page17 id: a33ba47173 (このIDを非表示/違反報告)
ﾎﾟﾙｷ(プロフ) - 碧宮さん» コメントありがとうございます！お返事が遅れてしまい申し訳ございません！！これからもどうぞよろしくお願いします！ (2022年6月8日 22時) (レス) id: e15fb03a9c (このIDを非表示/違反報告)
碧宮(プロフ) - コメント失礼します。物語の空気感が伝わってくる文章でとても好きです、🐮さんらしい言葉遣いも特徴捉えててすごい…！応援してます！ (2022年6月1日 17時) (レス) id: 3294c17cc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾎﾟﾙｷ | 作成日時：2022年4月24日 23時
