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ついにお目当てのゲームを手に入れた俺は、それはもう意気揚々と家に帰りたかった。が、ばったり会ったレトルトに、査定を待つ時間つぶしにと誘われ、少し離れたファミレスに入ることになった。
「と言うか、なんであそこでレトルトって呼ぶんよ」
席に着いて開口一番、レトルトはそんなことを言って机に肘をつき、文字通り頭を抱えた。
ウエイトレスが運んできたお冷を1口飲んだ俺は、
先程のゲームショップでの出来事を思い出す。
おおかた、店主に自分の活動者名を知られたのでは、と気がかりなのだろう。
「今更だろ。つか、あの人も知ってんじゃないの？」
「いやいや…知らんって」
どことなく弱気というか、落ち込んでいるようなレトルトを眺めながら、俺はひんやりと冷たいおしぼりで手を拭く。
「知らんって」とは言っても、目の前にいる奴には220万人以上の登録者がいるじゃん？
それに、あの店主がレトルトのことを知った上で、知らないふりをしてくれている“大人”だっていう可能性もあるし。
俺はそれほど登録者にこだわっている訳では無いけど、俺に比べたら知名度はお前の方があるだろ。
つか、お前も俺の事うっしーって呼んだろ。
なんていう言葉が喉元まででかかったか、どうやらレトルトの言い分は「うっしーはあだ名として通用するけど、レトルトは無理じゃん｣という事らしい。
まぁ、言ったものは仕方ないし、「はいはい。ごめんって」なんて笑いながら適当に受け流した俺は、メニューをパラパラっと眺めて少し遅めの昼飯を選ぼうとしていた。
「というか、うっしーもあの店よく行ってんの？」
「…いや学生の頃が最後だったよ。たしか」
「なら店長がAさんになってからは、来たことなかったんや」
俺と同じようにメニュー表を眺めながら、レトルトはそんなことを言ってきた。
え、何、名前で呼んじゃうくらい仲良いの？
俺今軽くマウント取られた？
まぁたしかに、あの店に最後に行ったのは高校生の時だ。卒業と同時に生活や環境もガラッと変わり、なんだかんだ行かなくなった。
「つか、Aさんって、何。すげぇ仲良いじゃん」
「そりゃ多少は話すけど…あの人、前の店長のお孫さん。ややこしなるし本人も苗字呼びあんま慣れてないんやって」
なんだその理由、ガールズバーかよ。
なんて、ゲスな考えが浮かぶ頭を軽く横に振って「へぇ」と適当な相槌をうった。
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花音(プロフ) - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になりますがまったり待ってます(*´-`)これからも応援してます(^○^) (2022年7月6日 12時) (
レス) @page17 id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
ﾎﾟﾙｷ(プロフ) - わわさん» コメントありがとうございます！できるだけリアル感を求めてかいているので、嬉しいです…！現在作成の時間がなく、更新ができておりませんが今後ともよろしくお願いします！ (2022年7月2日 2時) (レス) id: e15fb03a9c (このIDを非表示/違反報告)
わわ - 主人公常識的で好きです... (2022年6月24日 6時) (レス) @page17 id: a33ba47173 (このIDを非表示/違反報告)
ﾎﾟﾙｷ(プロフ) - 碧宮さん» コメントありがとうございます！お返事が遅れてしまい申し訳ございません！！これからもどうぞよろしくお願いします！ (2022年6月8日 22時) (レス) id: e15fb03a9c (このIDを非表示/違反報告)
碧宮(プロフ) - コメント失礼します。物語の空気感が伝わってくる文章でとても好きです、🐮さんらしい言葉遣いも特徴捉えててすごい…！応援してます！ (2022年6月1日 17時) (レス) id: 3294c17cc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾎﾟﾙｷ | 作成日時：2022年4月24日 23時
