影山家の影山サン “2”【HQ】 (ページ16)

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『ごめんっ……そうだよね。ごめんね。

今日はもう行くね…』

そこに来た仁花ちゃんに飛雄のボール出しを任せて

私は外へ出た

飛雄にも、言われるなんて思わなかった。

中学生の時、当時の主将に言われたことがある。

「お前のその力、俺にあれば良かった。」

試合に負けた時だったかな。

あんなこと言われたのは。

その時は中３にもマネージャーがいたから、3年がベンチに入ってた。

その時のメンバーには、徹も入ってなかったから

観察眼が優れた人間は、1人もいなかった。

だから、「お前の力が俺にあれば」

なんて言い方をしたんだろう。

あぁ………

悲しい。

涙が止まらない。

最愛の弟にも言われたんだ。

思ってる以上に、心はやられてる。

「Aちゃん？」

『えっ……？

夜久くん……』

夜「え、どうしたの？なんで泣いてんの…」

『ごめんっ……なんでもないの。気にしなくていいよ…？』

夜「気にしないわけないじゃん。女の子が泣いてんのに、無視して行くほど冷めた男じゃないよ、俺は。」

『飛雄にっ………弟に………姉ちゃんにはわかんねぇよって……

その力、俺にあればよかったって……

中学の時も………試合に、負けた時……主将に言われたの…』

それを、思い出しちゃって

なんて言いながら、涙が止まらなくて

夜久くんには情けないところを見せてるよね

けど、止まるわけない。

こんなんで止まるなら、涙を流しても無駄なだけだ。

夜「そっか…俺たちはさ、Aちゃんのその力ってのが何かわかんないけど

その時主将くんは、別としても、弟くんは、絶対そんなこと思ってないよ。

大丈夫。気にしなくていいって。

俺は、Aちゃんの泣いてる顔より、笑ってる顔の方が好きだな。」

『夜久くんっ………ごめん……ほんとにごめんね……ありがと……』

菅「あれ、A？それに夜久くんも。」

夜「お、スガくん！Aちゃんのことお願いね。

多分、俺よりスガくんの方がいいと思うから。

俺、Aちゃんのこと尊敬してるよ。

異性としてというより、尊敬すべき人として好きだよ。」

菅「おう、任せてくれ。」