青い海と赤い太陽２ (ページ46)

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第64話ページ46

貴女サイド

エースは毎日毎日エドの首を取ろうとしては海に落とされたりと敗北続きだった。

ｶﾞﾝｯﾄﾞﾎﾞﾝｯ
「おーいまたあいつ海に落ちたぞ～!!」
これでエースの99回目の敗北だ。
私が海に飛び込もうとするとどこから現れたのかデュースが肩に手を置いた。

ﾃﾞｭｰｽ「俺が行くからAは待っててくれ。」
貴「そう？毎回悪いわね。」
ﾄﾞﾎﾞﾝｯ

あの最初に海に潜って以来全てではないけどデュースがエースの回収をしてくれている。
何故か私に海に潜らせようとしない。
私泳げるから平気なのに…

いつものようにロープを垂らしエースを抱えたデュースを引き上げる。エースはエドの力に耐えきれず気絶していた。

ﾃﾞｭｰｽ「医務室に運ぶ。A手伝ってくれ。」
貴「えぇ、こっち支えるわね。」
デュースと一緒にエースを支え医務室まで連れて行く。私はエースに手をかざした。すると海水で濡れていた髪や体はあっという間に乾いていった。

ﾃﾞｭｰｽ「それ随分上手くなったな。」
貴「エースが何回も海に落ちるんだもの、だいぶ上手くなったわ。デュースもしてあげる。」
この技は言った通りエースが海に落ちて服を水浸しにするのでどうしようかと考えていた時に出来た技だ。

デュースに手をかざし意識を手に集中させると海水が吸い取られ服や髪は乾いていた。
ﾃﾞｭｰｽ「ありがとう。この技本当に便利だな。」
貴「そうね、でも淡水は操るのが難しいから洗濯物は乾かせないけどね。」
デュースとの会話に花を咲かせているとベットで寝ていたエースが目を覚ました。

ﾃﾞｭｰｽ「おう、体の調子はどうだ？エース」
ｴｰｽ「大丈夫だ…また負けたのか俺は…A俺の何回目の敗北だ？」
貴「99回目よ。」
ﾃﾞｭｰｽ「数えてんのかよ!!」
エースは少し間を開け私たちを見た。

ｴｰｽ「次で決着をつけようと思う。」
ここでエースの言う決着とはこの船に残るか出直すかを決めるということだろう。
貴「そう、エースが決めたことならしっかりやんなさい。どんな決断をしたとしてもあなたについて行くわ。」
ﾃﾞｭｰｽ「あぁ俺もだ!!」

エースはふっと安心したような笑みをこぼし医務室から出ていった。

貴「今日はもう遅いから決着は明日ね。」
ﾃﾞｭｰｽ「あぁそうだな。他のクルーには俺から伝えておくよ。」
貴「ありがとうデュース。じゃあ私も失礼するわね。」

医務室を出た私は自室と化してしまった小さな物置部屋に戻り、そのまま夜を明かした。