第46話 ページ20
貴女サイド
港を出航して徐々に魚人島から離れていく。
やっぱり綺麗だわ。魚人島…
貴「本当あっという間だったわ。」
私の独り言は誰にも届くことなく、暗い深海に溶けていった。
周りを見渡すと甲板には私以外誰もいなかった。結構長い間見てたのね。
小さくなった魚人島を見ていると私はある事を思い出した。
貴「あっそういえば、もうピアスつけてもいいのかしら？んーデュースに聞いてからの方がいいわね」
私は短パンのポケットからエースにもらったピアスを取り出し、デュースのいる医務室へと足を運んだ。
ｺﾝｺﾝ
貴「デュース、私だけど入ってもいいかしら？」
ﾃﾞｭｰｽ「あぁ、いいぞ。」
ｶﾞﾁｬ
ドアを開けるとデュースは医薬品のチェックをしていた。
ﾃﾞｭｰｽ「そこの椅子に座ってくれ。それでどうしたんだ？体調が悪いのか？」
貴「あっ違うの、そろそろピアスをつけたくてデュースに聞きに来たの。」
ﾃﾞｭｰｽ「なるほどな。ちょっと見せてみろ。」
私はデュースに耳を見せた。
ﾃﾞｭｰｽ「あぁ、もう大丈夫だろう。ここで付けるか？」
貴「えぇ、そうするわ」
私は耳についていたファーストピアスを外しエースにもらったピアスとつけかえた。
貴「どう？似合ってるかしら？」
ﾃﾞｭｰｽ「あぁ、すごく似合ってる。」
あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。
貴「ふふふ、ありがとう。ﾆｺｯ」
ﾃﾞｭｰｽ「…痛みとかないか？」
貴「いいえないわ。それじゃあ私エースにも見せてくるわね。」
私が椅子から立ち上がろうとした時
ﾃﾞｭｰｽ「ちょっと待ってくれ!!」
貴「どうしたの？」
ﾃﾞｭｰｽ「えっと…その…」
デュースはキョロキョロと目が泳いでいたが、決意したかのように私の方を向いた。
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作者名：あずき丸 | 作成日時：2019年5月5日 10時
