理想と現実短編集 (ページ7)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:294,557 hit

＊ページ7

体育祭当日

体育委員長のミノが選手宣誓をしたんだけど

選手宣誓でこんなにもカメラ音するっけ？っていうレベルで写真撮られてた。

その後も

『ミノ写真撮ろー』

『ミンホ先輩一緒に写真撮ってください！』

とか声かけられまくって、その度にこやかに対応してるミノ。

私も撮ってほしいけど、記録係があるから頼んでる暇ないし…

あーあ、撮れずじまいで終わるのか。

私は結局楽しそうに次の種目に移動してるミノを遠くから傍観するだけ…

なんて思いながら私も移動し始めたら、

「「「危ない！！！」｣｣

その声と共に黒い影が私の方に倒れてくるのが見えた。

…あ、これ私が書いた看板。

そう思った時には時すでに下敷きに。

「いったぁ…」

周囲の人がすぐ駆けつけてくれて無事に助けられた。

私が起き上がって見渡すと

肩や頭を打ったけど背が小さい私は他の人よりマシだった。

だけど

「A！！！大丈夫？！ケガないか？！」

一目散に私のところに走ってきたミノに

嬉しさより困惑に囚われた。

「う、うん…大丈夫。」

「大丈夫って額から血がでてる！」

「え？あ、本当だ…」

「早く保健室行くぞ！」

ミノに肩を組まれ立ち上がる。

…あれ、この展開私が待ち望んだ少女漫画みたいじゃない？

そう自分でも思うのに

いざそうなると戸惑っちゃうのはなんだろう。

「ミノ、私は大丈夫だから他の人の方の手助けしてあげて？」

何で自分からこんなこといってるんだろう。

「いやでもAケガしてるし…」

「ほら私自分でも行けるから。」

「…わかった。」

ミノはそういうと他の人の手伝いに行った。

私は一人で保健室に行き、手当をしてもらいながらぼーっと手伝うミノを見ていた。

…その時に気づいた。

私は少女漫画みたいな展開を求めてたけど、本当は違うって。

誰よりも優しくて、

誰にでも平等で、

誰からも愛される

そんなミノが好きなんだ。

もちろん、私のところに一番に駆けつけてくれて心配してくれたのは嬉しいよ？

けどミノはやっぱりミノだから、

特別扱いしないで欲しいんだ。

…もしかしたら私って変なのかな。