＊ ページ15
無事に資料を手に取り
図書室を出ようと2人で並んで歩く。
こうして隣で歩くのっていつぶりだ…？
「ったく、人騒がせなんだから。」
「ごめんね…」
ザ･しょぼんって顔してるA。
少しでも怒られたり怖いことがあるとすぐしょげる癖はちっとも変わってない。
「あー…怒ってるわけじゃないから。」
「…本当？よかった。」
怒るわけないだろ。
潤んだ瞳で見上げられた時の方が怒りたかったよ。あんな顔を男に見せて。
「それでどうして図書館に？」
「チャンミン君に頼まれて…」
「チャンミンが？承諾したの？あんなに怖がりなのに？」
「え…」
戸惑った顔してまた俺を見るA。
…お願いだからそんな風に見上げるなよ。
「え、って…怖がりじゃなかったけ？
違ったなら何のために俺夜更かししてたの？(笑)」
「覚えててくれたの？…約束。」
もちろん覚えてる。
幼ながらにAを慰めたくて提案したんだ。
「それでゲーマーになったんだから(笑)」
「どういうこと？」
「暗い所から明るい所は見えるでしょ？
でも明るい所から暗い所は見えないから、俺暇でさ。」
まだAは頭を傾けてる。
この大学それなりに賢くなきゃ入れないんだけどな…
「…どれくらいまでAが起きてるかわからなくて、暇で時間潰しにゲームやってたらハマったの。」
こうやって話すのだって久しぶりなのに
案外素直に言葉にできる男だったんだな、俺。
「……」
「…ねぇ何で黙るの？(笑)」
俺が聞くと「だって…」とAは小さい声でと話し出した。
「約束、覚えてるの私だけなのかなって思ってたから…」
「……」
だからそんないじらしく言うなよ。
こっちだってギリギリなのに。
「あっでもね？
もう寝れる様にはなったんだけど今でもキュヒョンの部屋から明かりを見ると安心するの。癖づいちゃった(笑)」
本当にこの子は…
もう俺のにしなきゃ。
他のやつにとられるのは時間の問題だ。
「っわ！」
図書室の出入口の前で腕を引っ張って俺の胸の中に閉じ込めた。
「…もう寝れるようになったって
さすがにまだ寝れないとかやばいから(笑)」
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作者名：S
| 作成日時：2017年10月29日 17時
