にに ページ10
「ねぇにに、本当にどうしてくれんの？」
「そうやって呼ぶなって。」
「今そんな話してる場合じゃないでしょ？」
「……」
すっかり黙り込んだジョンイナ。
こうなったのも数時間前──
･･･
･･･
文化祭の用意で居残りとかめんどくさ…
みんなは前でガヤガヤやってるけど一人教室の後ろで作業して
さっさと終わらせて帰ろう。
そう思ったがために誤解が生じたんだ。
「いたA。」
「あ、、」
「Aの体操服が間違えて入ってたから今日体育出来なかったんだけど。」
「いやちょっ」
「家に帰ってから返そうかと思ったけど今返すわ。」
ジョンインは後ろの扉から私を見つけたから、教室に私一人だと思ったらしく
ズカズカと教室に入ってきた。
でも無論、私一人な訳がなく
『え？どういうこと？』
『ジョンイン君とAちゃん友達なの？』
『いやあれは付き合ってるだろ。』
…視線が一気にこっちに。
それでジョンインも前に人がいることに気づいて
「……」
目を見開いて立ち止まっちゃったし。
この最悪な状況どうすんの…？
「…帰るわ。」
「は？」
私に言い残して一人ジョンインは去ってった。
･･･
･･･
で、現在に至る。
「あのあと質問攻めに遭ってこんな帰るの遅くなったんだから！」
「んな事言われても、Aしかいないと思ったんだもん。」
「助けてくれてたってよかったじゃん…!!」
「それは…。」
私とジョンインは幼馴染だ。
幼馴染にしては今でも仲良い方だと思う。
でもみんなには秘密にしてる。
だってジョンインがモテすぎるんだもん。
いつからか"人前では話さない"っていう暗黙の了解ができて
家の前とか以外は私達は外で話さない。
けど最近、家の洗濯機が壊れてジョンインの家の洗濯機を貸してもらってる。
それで今日はお母さんが体操服を間違えて持ってきたみたいで
私とジョンインは体育が出来なかった。
持ってたけど「忘れたー｣って言ってね。
なのにさっきので今までの努力が全てを水の泡。
あぁ明日からの学校どうしよ…。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 735人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：S
| 作成日時：2017年10月29日 17時
