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……バタン。
『ジミン！！
やばいよやばい！すごいイケメンなんだけど！？』
今まで息を止めていたかのように興奮した気持ちが溢れ出てきた。
わかってる、今日ジミンはデートだから返信こない。
それでも誰かに報告したくて仕方がなくてトレイ入るなりスマホを出した。
だって、あんなイケメンだなんて聞いてない…!!!
イケメンはいないって言われてたから期待しないようにってしてたのに！とはいえ期待してしまってたけど…！
現実に頭が追いつかなくってよくわからなかった。何もわからなかったけど考える前に緊張で勝手に口が動いた。まるで自分がおしゃべりな人みたいだった。
けどしょうがない。
想像の倍、何百倍ものイケメンが来たんだもん！！
しかも声も綺麗で上品な雰囲気。
初めて目が合った時の微笑みと“Aさん”を思い出すだけで堪える。
……なんでこんな人がアプリ？
絶対モテる。本当は性格がめちゃくちゃ悪かったとしてもあれはモテる。現に歩いてるだけで視線集めてたよ？
「えぇ〜…わかんない、」
わからない。わからないけどもう行かなくては。
会ってから数分で化粧直しする必要性もほとんど無いけど入念にチェックする。
「あ、Aさん」
う、い、イケメン…！
シャツをまくって手首に光る腕時計と意外と鍛えられてそうな腕。爽やかな笑顔。
そんな人がポップコーンを持って私を待っている…！
「すみません、お待たせしました！」
「全然。入りましょうか？」
「はい！あ、いくらでしたか？」
「今日は俺が誘ったんだからAさんはいいですよ。」
「いやそんな、」
「早く入りましょう。」
そういって微笑む姿はやっぱりスマート…そして文面では僕だったのに実際に会うと“俺”呼びしてることにキュンとする。
…普通のことだろうけど！
館内に入って当たり前に隣の席に座るのだけど、それだけでドキドキする。
近いし、ポップコーンを取る手が触れ合っちゃったりしたら…とかこれまでの人生で鍛えられた妄想が止まらない。
それより緊張してポップコーンもガツガツ食べれない…！
普段私ってどういう食べ方してたっけ、？
「あっ、ごめんね？」
ジョシュアさんの手がポップコーンの箱にあたってぐらついた。
慌てて抑えた私に微笑んで謝る姿がもう…
こりゃダメだ。
こんなん映画に集中出来ない。
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作者名：S
| 作成日時：2022年1月31日 15時
