Small Shot!!2 (ページ3)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:5,660 hit

. ページ3

画面に映るオーバーリアクションな主人公らしき男をなんとなく目で追っていると感じる横からの視線。

「…なあ」

『…ん？』

「なんかつけてる？香水、とか」

『あー、うん。臭かっ…』

た？なんて聞く前に近づく流星の顔。
首まであと1センチもないぐらいで止まった流星がそっと匂いを嗅ぐ音が微かに聞こえる。

ちか、い

どうしていいかわかんなくて、身動きが取れなくなる。

『りゅ、せ、』

「俺この匂い、好き」

『…ん』

普段から距離が近い流星でも、少し動いたら触れちゃう様な距離は初めてで。
どうしたらいい？の意味を込めて流星を見つめた。

「んふ、そんな目で見んといて」

『ど、どんな目、』

少し笑って目を逸らした流星につられて、目を逸らす。
でもまた、あわせて。あわせたら、逸らして。

今ここに流れている空気が甘酸っぱいものなんてこと、きっと小学生でもわかる。

なんとなく流していたドラマの音なんてもう2人には聞こえてなくて。

また目があえば、今度はもう逸らさなかった。

素直になれなかった2人の距離が縮まって、

『…りゅ、』

「A」

”…好き。”

はっきり聞こえたそれは彼から放たれた言葉なのか、それとも私からか。

床に降ろしていた私の手にそっと触れる流星。

どっちが言ったか、なんてどうでもいい。

そっと目を閉じて、どちらからともなくキスをした。

離れていく熱に少し寂しさを憶えて目を開けると、流星も同じ顔をしていた。

「…電気、消してみる？」

聞こえた流星の言葉に返事はしない、
言わなくても、
きっと、もう、伝わってるから。

何も言わずじっと見つめ返す私に、流星は微笑む。ほら。ね。

「じゃあ、」

流星は立ち上がって
そっと、電気を消した。

fin

(続編一発目は某先輩グループの某曲歌詞パロです)
(今日の少プレで初めて聴いてすぐ思い浮かびました)
(分かってくださった方、いたらいいなあ)