Small Shot!! (ページ19)

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『…付き合ったら思ってたのとちゃうかってんてぇ』

涙が止まった頃合で話し始めるA
黙ってたら大人しく見えるから、中身ようしらんと付き合って、あまりのあほさに思ってたんとちゃうとかはザラ。
その度に、また言われてもうた。って傷付いたように笑うAの顔を俺はもう何回も見てきた。

『あほなとこも好きになってくれる人現れへんかなぁ』

そう言われる度に、次は大丈夫ちゃうか、もっといいやつがおるって言い続けてきたけど、もうやめる。

「それは無理やわ」

『えぇ、なんでともまでそんなこと言うんよ…いつもは励ましてくれるやんかぁ…』

俺からの否定は想定外やったんか、止まってたはずの涙が目に溜まるA。
たぶん新しく現れるのは無理やし、てか現れてたまるか。

「俺でええやん」

「そんなやつもう一生現れへんから、俺にしといたら？」

『…え、』

こんなあほなやつずっと好きでおるあほなんて俺しかおらんし、面倒みれるあほも俺しかおらんやろ。しらんけど。

ずっと言ったことなかったし、鈍感で1ミリも気づいてなかったはずやから想像通り驚いてる。
でもまあ、Aの顔見るにそんなに悪い反応じゃないか。

「まあそういうことやから考えといて、」

『…わ、わかった』

立ち上がってAの頭を雑に撫でる。
今日はこれぐらいにしといたる、
けど、20年片思いしとった俺がこれから本気出したらどうなるかぐらいは覚悟しときや。

「ちょお、とりあえずキッチン貸して。俺お腹空いた」

『…えっ、私も食べたい！チキン南蛮がいい！！！！』

「…ようこの冷蔵庫の中身でリクエストしてきたな」

『いややチキン南蛮が食べたい』

「チャーハンで精一杯やわ」

『えーやったあ！！！！！！！！！』

「…なんやねんこいつ」

continue…？