. ページ2
次の日珍しく朝のエレベーターで中間さんと一緒になった。
早めに来ると人が少ないから、いつも皆より1本早めの電車なのに。
中間さんも早く来てたんだ。
「なあ、いつもお弁当やったん?」
『…そう、ですけど』
「言うてや、俺外ばっかり誘ってたやんか」
『…?』
「俺も今日昼買ってきたから、一緒に食べてくれる?」
コンビニの袋を顔の横で揺らす中間さんはなんだか似合わなくて、いつもよりちょっと、ちょっとだけ可愛く思えて
毎回しっかり断ってたはずのお誘いも思わず受けてしまった
「じゃあ昼、資料室横のミーティングルームで待ってる」
『…はい』
----------
『失礼します』
指定された部屋につくと奥の椅子で足を組んで座っている中間さん
かっこいい人は座ってるだけで絵になるんだもんな。ほんとに許せない種類の人。まあこれは妬みだけど。
「Aー、こっちこっち」
『お待たせしました』
「ちょちょ、どこ座んねん。こっちやろ」
2m程距離を取って座ろうとすると、自分のすぐ隣の椅子を指さす中間さん
『遠慮します』
「…まあええか、明日はもう1個こっちな」
なんで明日も一緒に食べることになってるんだよ、と声に出しかけたけど
中間さんの空気は心地いいもので
意外とオリエンタルランドに詳しくて思わず熱く語ってしまうところとか、美人なわんちゃんを飼っていてベタ惚れしているところとか。初めて知ったギャップに、昼休みが終わる頃には、明日も一緒に食べてみてもいいかと上から目線な自分が顔を覗かせていた
その日からは毎日いつもの部屋で一緒にお昼ご飯を食べるようになった。
座る椅子も1つずつ中間さんに近づいて、今や隣同士で座っている。
毎日貼られていた黄色い付箋の内容は《今日もいつものとこで》に変化した
毎日なんだから別に付箋なんかいいのに、なんてすっかり心を開きかけている私に驚く。
毎日なんだからって何よ、その毎日がおかしいんでしょ。
中間さんに対する気持ちも変化していることには見て見ぬふりをして、付箋を大事に手帳に挟んだ
119人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:tana科 | 作成日時:2020年2月2日 20時