過去には干渉するべからず ページ5
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慎「…で、またフラれたと。」
北人「フラれたって言い方やめろ。」
昼飯後の授業をすっぽかして慎と2人でまた屋上手前の階段で集まる。
翔平はというと大学の進学が懸かってるから、授業など簡単に抜けられない。
その翔平の様子が俺たちはもう大人手前になってるって気付かされる。
なのに、俺はあんな女に振り回されてる高校三年生の夏休み前。
慎「もう諦めれば?北人のこと脈なしだよ。」
北人「んなわけにはいかねえ。」
慎「…ショウゴとは違うんだよ。もう誰かを崩すのそろそろやめろ。」
北人「っ。」
….ショウゴ。
“岩谷翔吾”___。
6月まで俺の隣の席だったヤツのことだ。
北人「もういいだろアイツのことは。その話は出すなって約束じゃんか。」
慎「元はと言えばお前が…‼︎『”ショウゴ”ってだぁれ?』
北人・慎「っ?」
二人しかいないはずのこの空間に女の声が聞こえた。
その声に思わず、俺と慎は固まる。
「…そのショウゴって人もしかして私の席だった人??」
慎「A…ちゃん?」
すると階段の壁からヌルッと現れたのはあの女だった。
戸惑う俺らをよそに彼女はコツンコツンとローファーを鳴らしながら、階段を登って、俺らに近づいてきた。
「名前覚えてくれてるの?嬉しい、確か…長谷川くんだよね?」
慎「っす。」
横を見るとすでに彼女にデレデレな慎。
ほんと単純だな。
北人「どうして来たの??」
そう問いかけると不敵な笑みを浮かべて、
「先生に2人を見つけて来てって頼まれちゃってさあ。で、声がしたから来たの。」
来るのは翔平じゃなくてコイツ…。
なんでコイツなんかに頼んだんだろう。
「それで、聞こえちゃったんだけど、ショウゴくんのこと知りたいんだけど…?」
慎「いやぁ、それは….。」
「どうして?」
なんで説明しようか困ってる慎に困り眉で問いかける彼女。
そこに俺は優しく微笑んで彼女に言った。
北人「俺の仲良かった人だよ。家の都合で引っ越しちゃったんだよ。」
すると彼女は眉毛を下がらせたままこう言った。
「今は仲良くないんだ。」
彼女が干渉してくるせいなのか俺がショウゴを思い出したせいなのか俺の眉がピクつく。
北人「そうなのかもね。」
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作者名:ZEA | 作成日時:2022年1月5日 0時