⑭ダンボール戦機Ｗ -Ver.M.- ～断絶希～ (ページ20)

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取り締まり、罰則ページ20

淳一郎がコブラのＰＣ画面に目をやる。

遥も数秒後にそちらのＰＣに目を移した。

「気になったから調べたんだ…俺はパラダイスの一件の前、

　ダックシャトルでラキアに…最初に事実を告げられた。

　炎崎リュウンの死を…写真を見せられたんだ」

「！！、何だって…」

淳一郎が言葉を失った。

ラキアだけでなく、コブラも全てを知っていたのだ。

「話せばバンたちの志気にもかかわるから博士たちにも言わなかったが…

　…その時に、大空遥、アンタは分かるかも知れないが、

　炎崎双子はパラダイス到着前にホワイトホール技術者学会を脱退したんだ」

「！！？、そんなことをすれば、―――」

遥が髪を振り乱してイスから立ち上がる。

コブラは頷いた。

「ああ、何か物騒な罰則の話なんかしてたが…」

これを見ろ、とコブラが画面を指す。

「ホワイトホール技術者学会の見解が初めて公表された…

　炎崎双子を発見した場合、即刻捕らえるとな。

　ったく、どうしてこんな物騒なことになってんのか…」

コブラが頭を掻きむしって眉をひそめる。

遥が静かに答えた。

「ホワイトホールは、基本的に技術者学会の中でも最高峰の学会。

　そこを脱退するということは、つまり、恐ろしい力や技術を持った技術者が

　何の監視下にも置かれなくなることを意味するわ。

　技術による危険の予知は愚か、脱退者が悪に手を染めれば、

　地球どころか宇宙が滅んでしまう可能性もある。

　そんな事態を防ぐために、学会というまとまりを作って、

　一人一人の技術者を監視しているのよ」

「つまり技術者が野放しになってしまえば大変な事態に発展する可能性がある…

　それを取り締まるための罰則ということか」

「ええ。わたしも、…風摩キリトも、脱退すれば同じ運命だわ。

　それに、私たちだってホワイトホール技術者学会の監視下にあるの。

　作っている物、ＰＣのデータ、…全て監視下よ。

　その総括、いわゆる管理者が、学者名：紫音。

　彼女にたてつけば、おしまいだわ」

遥の口から明らかにされる、闇に包まれていた技術者たちの現状。

そこでコブラが首をかしげた。

「ってことは、アダムとイブが作られたのも監視されてたって事か？」