⑭ダンボール戦機Ｗ -Ver.M.- ～断絶希～ (ページ2)

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砂浜ページ2

＝宇宙管理センター裏から数キロ先：海岸＝

「ってー…」

目に映る断崖絶壁。

手に触れたのは、サラサラとした白い砂。

自分はどうなったのか…思い出せなくて自分の両手の平を見つめた。

ひどい色をしている。

白衣には、何故か所々焼け焦げた様な跡が残っていた。

「海に、…ここは砂浜…流されて辿り着いた構図ですよね、どう見ても」

自分の近くに、透き通ったＬＢＸが有り、自分を見上げていた。

「…Ｂ・フリーズ…、…あぁ、そうでしたね。俺を助けてくれたんでした」

口調こそ穏やかだが、その目は、とても穏やかだとは言いきれなかった。

脳内にあの記憶がフラッシュバックしながら戻ってくる。

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『…無駄だ』

周りを取り巻く機械は、徐々に増えてゆく。

『…レーザーで、あの娘の気持ちを味わうがいい。…ずっと独りだった、あの娘の』

瞬間、レーザー機が光線を発射し、あがる一つの悲鳴は自分のモノ。

『うぁああああああああああっ―――』

熱い、熱い、痛い。

全身に走る温度。

血液が沸騰したような感覚に全身が悲鳴を上げた。

白衣は焼け焦げた。

死ぬ、…そう思わなかったわけでもない。

苦しみの中、全ての憎しみをたたえた眼で、少年を睨んだ。

熱い身体、―――意識を失う寸前に、見た。

少年の、眼。

光る、眼。

全てを跪かせるほどの、強大なエナジーを―――。

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まさか―――アイツはあの“眼”で、この機械たちを動かして―――！！？

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「俺もヒドイ目に遭いましたよね…全く」

チラ、と犬歯を見せて自身を嘲る。

赤い舌で、小さく下唇を舐めた。

「この際…どうだっていいじゃあないですか？」

投げやりに呟いた少年。

うつむいたその顔に、日の光は当たらない。

影になったその表情は、見えない。

「もういいです…バンさん達も、俺も…そうですよ、

　姉さんごと、この地球を吹っ飛ばしてしまえばそれでいいですよね」

少年、ラキアは顔を上げる。

砂浜に照りつける太陽が、その顔…満面の笑顔に、反射する。

今日の空は、なんだかいつもより眩しく見えた気がした。