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そんな時、食堂に現れたのはホンゴウだった。
｢おい、どうした……？｣
｢……ホンゴウ…さん………たっ食べきれなかった………っ｣
｢あぁー…多かったんだな。よしよし、後はいいから……なっ？｣
まだ食べわ終わっていない食器を持っていこうとするホンゴウに全部食べると言うと、無理して食べなくていいと言われ泣きそうになった。
それからシャンクス達が帰ってきたと聞いたが、お腹がいっぱいで辛かったつむぎはすぐに部屋に戻った。
念の為ホンゴウに胃薬をもらって。
それから数日して船は島を出て、またしばらく海の上の生活に戻った。
最初の頃よりは大丈夫になったが、やはり船の揺れは本当に時々辛かった。
その度にホンゴウに酔い止めを貰ったり、部屋にこもったりしていた。
それも数日続いたある日、いつものようにシャンクスや他のクルー達と食堂でご飯を食べいた。
ちょうどいい量のご飯にはなったが、食べるのは遅かった。
いつも最後になるのは自分。
1人残った食堂。
一緒に日用品などを買いに行ってから、シャンクスは自分に冷たくなった。
嫌わたくない一心でできるだけ迷惑をかけないよう自分の事は自分でした。
言われた事は守ってきたし、わがままも言わなかった。
なのに、シャンクスやベックマン、ヤソップさんまでが最近はあまり話しかけてこない。
ホンゴウさんは私が良く頼ってしまうのでそうでもないが、それも少し不安だった。
カシャンッ
思わず落としてしまったスプーン。
慌ててそれを拾おうとしゃがんで伸ばした手に落ちたのは涙だった。
その手はスプーンを掴むことなく、しゃがみ込んだまま握りしめた手。
｢っ………ﾋｯｸ…っ……｣
溢れ出た涙は止まらない。
｢……っ！おい、つむぎ！｣
聞こえた声はホンゴウ。
俯くつむぎが泣いていることはすぐにわかった。
声を押し殺して泣くつむぎに駆け寄ったが、ただ首を横に振るだけのつむぎにホンゴウは困惑していた。
｢………落ち着け……………つむぎ、いったいどうしたんだ…｣
｢ホンゴウどうし…………つむぎ？｣
後ろから来たベックマン。
しゃがんで蹲るつむぎに気づいた。
｢俺が来た時にはもうこの状態だったんだ…つむぎ？｣
｢つむぎ…どうした？｣
ホンゴウもベックマンもつむぎの様子を伺うがいっこうに顔をあげようとしない。
少しして口を開いたつむぎ。
｢なんでもっ…ないです…………｣
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作者名：こゆん | 作成日時：2022年9月2日 19時
