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海王類達はそのまま自分たちの住処へ戻って行ったのだが、つむぎはと言うと甲板でシャンクス達に怒られていた。
｢今回はたまたま能力者がいなかったら良かったものの、何かあってからじゃ助けようにも助けられないんだ。｣
シャンクスの強い言葉にぐうの音も出ず、肩を落とすつむぎ。
何を言っても言い訳にしかならないのは分かっている、でも苦しんでいる声を放っておけなかった。
だから話すことにした。
元々人より耳がよく、どんなに小さな事も聞こえたし、今回のように海王類など別の生き物の声も聞こえることがあること。
ヒソヒソ話す声も、少し距離が離れていてもそれはまるで耳元で話しているかのよう。
いつもは故意に意識を外すことで大丈夫らしいが、ここに来てからはずっと身体が強ばっていて、その疲れが熱に来たのだと説明した。
この体質は小さい頃からずっとで、実は親や友人にすら話していないこと。
シャンクスはつむぎの話を聞いても険しい顔をしていたが、諦めたのかため息を1つついた。
｢ごめんっ……なさいぃ…っ｣
自分のした事に後悔はない。
でも自分の事を打ち明けるのはとても怖いことだった。
今まで自分の事を面と向かって話したことの無いつむぎは、この暖かくて離れたくないと思った場所から、この人達から、嫌われる事が何よりも怖かった。
｢………っうぅ………ごめんなさいっ…｣
ワンピースの裾をギュッと握りしめ俯いていたつむぎがポロポロと涙を流した。
周りはギョッとした顔で狼狽えた。
シャンクスはつむぎに手を伸ばしすっぽりと抱きしめた。
｢泣くな…危なっかしくて見てられないな。｣
｢頭ァ、セクハラだぜ！｣
そう茶化すヤソップに周りがドッと笑いだした。
今度はシャンクスのシャツをギュッと握りしめたつむぎはそっとシャンクスを見た。
｢シャンクス……｣
｢どうした？｣
まだ少し涙目を向けるつむぎにそっと声をかけたのだが、無言のまま見つめてくるつむぎ。
先程よも熱い体温に赤みが増した顔色。
慌てて額に手を当てると、完全に悪化している。
｢ホンゴウ！｣
シャンクスの声にホンゴウもそれに気づいた。
直ぐにつむぎはまたベッドに寝かされたが、今度は目を開ける余裕もないのかただ荒い息をしている。
もうほとんど意識も朦朧としているのだろう。
話しかけても唸るだけで受け答えも出来なかった。
それから2日ほどつむぎは寝込んだのは言うまでもない。
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作者名：こゆん | 作成日時：2022年9月2日 19時
