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その次の日の朝、つむぎが目を覚ましたのはシャンクスの腕の中だった。
一瞬フリーズした後、夜のことを思い出し恥ずかしくなり顔をうずめた。
それでもこの幸福感は拭えず、ただ傍にいるだけで満たされる。
｢あまり可愛いことをしてくれるなよ？｣
｢っ？！｣
｢ははっ……おはよう。顔色は良さそうだな｣
本当に今起きた様子で髪を人ひと撫でされた。
｢おはよう………｣
｢ホンゴウ達が来る前に起きないとな。｣
何かとつむぎを甘やかしているのはどちらかと言えば彼らの方なのではないだろうか。
シャンクスもそうだがつむぎはホンゴウと話していることの方が多い。
本人は無自覚のようだが。
｢シャンクス……｣
｢どうした？｣
顔をうずめたままのつむぎの声は少し不安そうで、弱々しかった。
｢いなく……ならないでね…………｣
｢……居なくなる訳がないだろう。｣
｢うん……｣
シャンクスの言葉に安心したのか、そのまままた眠ってしまったつむぎ。
その後に様子を見に来たホンゴウに見つかり大きなため息をつかれたシャンクスだったが、ホンゴウは何となく察したらしい。
節度をもてよと念押したホンゴウにシャンクスはいつもよりも真面目な顔をした。
次に目が覚めた時シャンクスは既に起きていて、ベッドの横の椅子に座ってベックマンと話していた。
寝ぼけ眼で起き上がったつむぎはベッドから降りようとしたがホンゴウが来るまではダメだと言われ大人しくベッドに腰掛けていた。
しばらくしてホンゴウが来て軽く見てもらい大丈夫だとなってから顔を洗って身支度を整えた。
｢…………まずはつむぎにちゃんと話さないといけない事がある。｣
ルゥが持ってきたスープを口に運んでいたつむぎはそうホンゴウに言われてホンゴウ達の方に向き直った。
なんの事かと首を傾げていたが、真剣な3人に少し不安を感じた。
｢昨日の夜何があったかはだいたい察しがついた。まあそこは深くは追求しない。｣
昨日の夜と聞いてシャンクスを見る。
不安そうな顔のつむぎの頭を優しく撫でるシャンクス。
｢……つむぎに冷たくしているつもりはなかった。ただ距離が近すぎると傷つける事だってある。だから必要最低限の接触は避けるつもりだったんだ。｣
それを聞くのは辛かった。
あの時の気持ちを思い出すと、今でも泣きそうになってしまう。
でも、シャンクス達が言わんとしている事も何となく理解はできるんだ。
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作者名：こゆん | 作成日時：2022年9月2日 19時
