山本 ページ6
「お手。」
手を差し出し、命令した。
膝立ちさせた山本に。
『…。』
「あらあら、君は躾がなってないみたいね。」
辛うじて膝立ちまでがプライドの限界なのか?
お手しようとしない山本に少しイラつく。
主の私に歯向かう執事なんて許されていいわけない。
『A様。』
「まぁ!どこまでもいけない子ね。」
犬のくせに喋っていいと思ってるのかしら。
言葉を喋るなと教えるため、その唇に指先で触れた。
「黙りなさい。」
『…。』
急にニコッと微笑んだ山本。
「何笑って…、」
一瞬、何か企んだような表情を浮かべる彼。
動揺していたら、指をペロ…っと舐められた。
すぐに咥えられてぬるい舌が人差し指を犯す。
優しく吸われていやらしい音がした。
「っ?!」
驚いて手を引っ込めた。
指に残った生々しい感触。
「〜〜ッ!」
さっきの山本の表情を思い出してゾクゾクする。
『僕の勝ちですね。』
不敵に微笑んで、何事も無かったかのように立ち去る彼へ言い返せない。
完全に私が弄ばれた状況…!
ありえない。
「次は、絶対に従わせてやるわ。」
自分の負けず嫌いさに火が付いた。
END.
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作者名:If | 作成日時:2022年4月28日 5時