知らないふりが上手くなったね (ページ10)

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# 10 - N ページ10

しめとヒロキ、須藤を見送って
大我と2人きりになる。

話題はAの話に。

わざわざ迎えでA呼んじゃうなんて。
ちゃかとかジェシーでも良かったのに。

「良かったの？」

「もー…あんまり聞かないでよ」

「ごめんて」

「だってさ、会社入ってまさかの幼馴染登場は強くない？初期装備でラスボスレベル」

「ラスボスは盛りすぎでしょ」

「いやあれはラスボスだね。おまけに後輩なんて強いステータス持ってる奴も出てくるし」

みんながいた時よりも饒舌になってる。
酔ってるなこれは。

本人にとっては笑い事じゃないけど、自分の頬が緩むのを我慢しながら話に耳を傾けた。

彼から出てくるのはAの話ばっかりで
本当に好きなんだなっていうのが伝わってくる。

大学で2人は出会って、彼の強いアプローチが見事に実を結んで付き合っていた。

大学4年生の時にお互い忙しく自然消滅。

なんで手放しちゃったかな、っていつも言う。

美勇人も美勇人で高校時代Aと付き合っていて
高校卒業と同時に別れたらしい。

実家を出て一人暮らしを始めて、大学へ。

そして社会人になって初めて同じマンションだと知ったらしい。

…

え、俺2人のwikipediaか何か？