知らないふりが上手くなったね (ページ15)

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# 15 ページ15

「美勇人」

昨日とは違って美勇人と向き合う。

抱きしめられてはいないけど
足はがっつり挟まれていて。
名前を呼んでも離す気はなさそうだし、寝たフリを突き通すのか。

ねえ起きて。
頬をつねっても起きる気配はない。
眉間に皺寄ってるけど。笑

「みゅ、うわっ」

「いいから寝るの」

手は掴まり、掛け布団を頭まですっぽり。

めいいっぱい息を吸えば彼の匂いが広がる。
こうしてこんなに近くにいるのも久しぶりだから変な感じしかしない。

どうもさっきの女の人のことが気になるし、そのまま放置するのはどうなんだろうともやもや。

「…美勇人」

「余計なこと考えなくていーから。せっかくの休みだしゆっくりしよ」

そう言うなら。

二度寝をしようとした瞬間
ぐう、とお腹が鳴った。

二人顔を見合わせて笑う。

「…起きるか」

「お腹すいたね」

「ちょっとリッチに朝活でもする？」

「流石に外出るのは気が引けるからなんか作ろうか？」

「マジで？」

「この間お母さん来てたよね？冷蔵庫結構食べ物ある？」

「ある！」

パッと布団をめくって今までの眠そうな顔は何だったんだっていうぐらい元気になった美勇人さん。

てか寒いわ。

「冷蔵庫の中の食材勝手に使っていいからなんか作って」

「はいはい」