サッカー部のプリンスの気持ち [S×O/番外編] (ページ17)

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+seventeen ページ17

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思ったよりも彼の進むスピードが早くて、
ようやく追いついたのは彼が教室の扉を開けた瞬間だった。

追いついた…と
はぁ…と一息ついていたら、
聞こえるはずのない音。

ﾋﾞｼｬｯ

明らかに水分を含んだ何かがどこかにぶつかった音。

はい？

もちろん奇妙に思って、音の出どころへ。

彼がそのまま教室内に入っていった入り口から中を覗くと、
彼は濡れ雑巾を手にして、元の場所に戻そうとしていた。

登校してきて早々濡れ雑巾…？
よく見ると制服の左側が、濡れてる…？

状況を噛み砕くごとに考えたくない結果しか思い浮かんでこない。

彼の様子をクスクスと嘲笑う笑い声、
何も言わず雑巾をもとに戻す姿を見て
舌打ちをする女達の様子が、
俺の行き着いた答えは何も間違えていないと告げていて。

まさか、そんな…
信じられなくて、ただただ俺は立ち尽くす。

まあ、そこそこ長いこと立っていたからか
さすがに教室にいる人達は俺に気付いてきた。
少し色めきだった女達が本当にうざい。

だから俺は恐らく彼に雑巾を投げたであろう入り口に一番近い女…
えっと…確か、あいつ……

「…お前劇の相手役立候補してたやつだよな。

悪いけど外れて。」

はっきり言うと眼中に無いと言ってやった。
相手が誰であろうが、人を苛めて楽しんでる性格ブスのやつとは関わりたくもない。
怒りに震えて他の女にも思いっきり言ってやった。

「てかさ、もう決まってんだよね。相手役。

媚び売っても立候補してるお前らのことは選ばねえから。」

。