二人のキョリは40cm -2-【江口拓也】

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江口拓也side



結構話しちゃったなと思いながら、スマホの時計を見れば2:42を表示していた。



話足りなさを感じつつもお互い忙しい身だから、話を切り上げる。



「あ、もう、3時になっちゃう！
ごめんね〜。こんなに長くいるつもりはなかったでしょ。」


「いえいえ！江口さんに会いたいな〜って思ってたので嬉しいです！」



出たよ、この天然たらし。

全力で素なのが恐ろしいよ、この子。



「今度は予定立てて会おうよ。

さ、行こっか。」


「はい！」



彼女はご機嫌に立ち上がるとゆらゆらと揺れていた。



「待って、揺れてるんじゃなくて、酔って揺れちゃってるのね(笑)」


「江口さん、送ります。」


「そんな直立もままならない子に送られるほどやわではないよ(笑)

ほーら、行くよ〜。」


後ろに回って背中を押すと、勢い良く目の前の彼女が回転した。

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