緑の朽葉が笑うとき (ページ7)

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朽葉が3枚ページ7

その日の夜、と言ってももう日付けが変わっていたので次の日ですね。僕はいつも通り会社のデスクで残業に勤しんでいました。なんでも僕に対する"連絡ミス”があり、明明後日が締め切り予定だったはずの提案資料が急遽本日必要になったとか。
……………もう少しマシな嘘を吐けばいいに。僕、知ってるんですよ？部署ぐるみで僕を壊そうとしてるの。可愛い可愛い手塩にかけて育てた3人の後輩組が教えて下さいましたから。クソ上司殿は部署全員がご自分の味方だと勘違いなさっていますがあなた方が寄越した社内の三代問題児は完全に僕の味方ですよ？それはそれは大切に育てましたから。生意気だの、融通が効かないだの、ミスが多すぎるだの色々言って押し付けてきましたけど結果だけ見れば僕の勝ちです。キッチリ教え込みましたし。まぁ、ちょっと懐きすぎな気もしますけど。
おっと、話がズレました。そんなこんなで既に出来ている提案資料をデスクトップに呼び出し必要部数印刷しようとすると1本の電話がかかってきました。

『こんな時間に誰ですか…………』

正直、仕事用のスマホなら無視を決め込んで後でかけ直しますけど鳴ってるのはもう1台…つまり私用の方なんですよね…仕方ありません。そもそもこの携帯の番号知ってるの2人だけですし。ディスプレイに表示されている名前を確認して電話に出ました。

『はい、こちら新ど─────

「酔っ払い引き取り屋さんですか〜〜〜？」

『はい？』

「あ、あってるみたい～えっとぉ〇〇っていうお店の1番奥の席です！酔いつぶれてるので早めにお願いします！失礼しましたっ」

ブツっと切れたスマホを見つめ新留は途方に暮れた。

『随分一方的な電話でしたね…』

これ向かった方が良いんですかね？というより見知った相手の番号から見ず知らずの人の声がするってどうなんでしょう？乗っ取りですか？とにかく早く向かうべきでしょうね。

僕はさっさと印刷物を片付け必要な物を纏めて会社を出ました。