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おや、今度は黙り込んでしまいました。アルコールによって引き起こされる情緒不安定でしょうか？全く、変な酔い方しないで欲しいんですけどね。扱いが面倒です。社長は結局車が止まるまで黙りっぱなしでした。社長宅の前に停車し助手席の扉を開けると社長は大人しく出てきました。良かった。歩けないようであればまた担がなきゃいけなくなるところでした。やっぱり人間は二足歩行が1番です。馬鹿なことを考えていると家に向かって歩いていた社長が立ち止まり、こちらを振り返りました。
『………？しゃ───────
「新留君」
先程のアルコールに侵された弱々しい声ではなくしっかりと芯の通った声が静かに夜の住宅街に響く。
「自分は、"にじさんじ”は何時でも貴方の味方です。貴方のような方も段々増えてきました。頼って下さい。関わって下さい。受け止めますから。 ─────いつか、壊れてしまう前に。｣
ありがとうございました。これ、喋ってもいいですよ。と言って社長は家の中に消えていった。
喋っていいってのは配信内でってことですかね？よかった。今回の配信の時の話題には困らなくなりました！車内に戻って、いつまで経っても公式マークが付かないTwitterに書き込んでおきますか。文脈は…今日あります。簡潔に要点だけを書き記し投稿しておきましょう。あっ、でも社長に名前変えさせるの忘れました…｡僕いつまで"酔っ払い引き取り屋”なんでしょう？早急に変えてもらわなくては。あとあのスタッフさん達は上手く帰りつきましたかね？タクシーは呼びましたが余計なお世話だったかもしれません。まぁ、どちらにしろ今更ですが。……………現実逃避していても仕方が無いことぐらい分かっていた。でも、それでもあと少しだけ………最期はちゃんと消えるから
『これ以上、巻き込む訳にはいかないんですよ』
そう呟いてその場を後にしました。
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作者名：トラメルク | 作成日時：2023年5月28日 0時
