海青 ページ23
健太さんと空を飛んでいる間、この国を上から眺めていた。
夕暮れ時からあかりがたくさん灯っているのが見えた。
きっといい街なんだろうな…。
噴水のある広場で、次の王子を待つ。
迎えに来てくださるらしい。
『Aさんですか?』
「はいっ!」
振り向くと、体格の良い男性がいた。
『はじめまして。海青です。』
男らしさの中に、どこか優しさを感じる物腰。
礼儀正しい雰囲気もある人だ。
「はじめまして。これから、どうしましょう…?」
『実はAさんに見ていただきたいものがあって。』
「そうなのですね。」
見ていただきたいもの…?
『立ち話もなんなので、早速向かいましょう。』
二人で広場を抜けた先に、サーカスのテントがあった。
『さぁどうぞ。』
裏口から特等席に案内された。
『もうすぐ始まるのでお待ちくださいね!』
「分かりました!」
一礼して去っていく海青さん。
なるほど。
出演者側なんだ!
楽しみ。
サーカスではたくさんの動物が芸を披露していた。
マジックの要素もあり、世界観に引き込まれる。
「すごい…!」
大盛況だった。
終演後も、お客さんと写真を撮ったり握手したり…。
「本当にすごい。」
聞くところによるとこのサーカスはボランティアらしい。
…さすがだ。
『Aさん。遅くなっちゃってすみません!』
「いえ!あの、とても楽しかったです。ありがとうございました。」
『楽しんでいただけてよかった!』
嬉しそうに笑う海青さんにつられてこっちまで笑顔になる。
『このあとお食事でもどうですか?』
「はい、ぜひ。」
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作者名:If | 作成日時:2022年8月7日 8時