彼女と秘密の夏休み(HP) ページ5
《賢者の石》防衛の件が済んでの夏休み。
何故か僕は彼女と共に過ごしていた...。
彼女の名前は、セレナ・ウィンクルム。
容姿端麗、成績優秀、おまけに勇敢さも優しさも持ち合わせてるという、まさに神から二物も三物も与えられたハイスペックな彼女は、入学前からの《初めての友人》だ。
そんな彼女は僕からの連絡が無いからと、弾丸のように突然僕の住むダーズリー家にやって来たのだ。
そんな彼女は今、僕の持つトランプを睨みつけ悩んでいた。
「こっち！...ンもぉ！またジョーカー？！」
「残念。じゃあ僕の番ね」
僕が言うと、得意げに二枚のカードを見せつけたセレナだったが、一枚のカードに手を伸ばすと彼女の口元がピクリと動いた。
「んグッ」
「何笑ってるのよ、ハリー。早く引きなさい！」
...だめだ、そろそろ我慢できない。
肩を震わせながら、本日何度目かのジョーカーを引いた。
するとセレナは、あからさまに嬉しそうに口角を上げた。
「あら、残念ね。今度こそ決めるわよ！」
再びカードを睨みつけるセレナに、笑いで手が震えながらも二枚のカードを差し出した。
「今度こそっ！...なんでぇ？」
あまりにも情けない声を出すセレナに、僕は思わず吹き出し笑った。
ジロリと睨みつけられるが、今の彼女は怖くなかった。
何なら、真剣になればなるほどポーカーフェイスが崩れてる事に気が付かない彼女に、僕は...。
「可愛いよね、セレナって」
「へっ！？」
思わず口に出した言葉に、セレナは鳩が豆鉄砲を喰らったような表情をした。
「ほら、僕の番だよ。もう終わらせてあげるから」
「えっ？」
僕の言葉に反応が遅れたセレナを見ながら僕はスッ...と引き抜くと、そこにはハートのエースが描かれていた。
「僕の勝ち」
「ず、ズルいわ！」
少し頬を染めた彼女は、ジョーカーを机の上に叩きつけて抗議するも、その表情にいつもの覇気は無い。
何なら小型犬がキャンキャンと可愛らしく吠えてるようにも見えてきた。
「僕は何もズルしてないだろ？セレナがそこまで言うならもう一戦やっても良いけど？」
「やるわ。次こそ勝ってやるんだから！」
嬉しそうに笑う彼女に、僕は自然と笑みを浮かべた。
何度目かのシャッフルに何度目かのカード引き。だけど僕は飽きもせずに何度も何度も繰り返す...。
ーーーこのまま時が止まってくれたら。
そう願う僕は、確かに狡いのかもしれない...。
彼女と秘密の夏休み
(今度はこっち！)
(あっ、負けた...)
主人公が小さくなりましたー序章ー(if/HP)→←弱虫な僕のヒーローは(HP)
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れい - レンさん、嫉妬するハリーも、意地悪するセドリックも、二人の様子に困惑する主人公ちゃんも、超可愛いかったです♡ずっと読み返してるぐらい大好きになりました！ (4月13日 8時) (
レス) @page13 id: d760ec90d4 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - れいさん» れいさん、コメありがとうございます。嫉妬系がいかに難しいか痛感しましたが書いていて楽しかったです。お気に召していただいたか分かりませんが、再リクお待ちしております！ (4月13日 8時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
れい - レンさん、ありがとうございます！ハリーの嫉妬が大好物なので、リクエストを答えてくれて凄い嬉しいです！もしかしたら、また、リクエストするかもしれないですが、そのときもよろしくお願いします！ (4月12日 14時) (レス) @page13 id: d760ec90d4 (このIDを非表示/違反報告)
ルーエ(プロフ) - リクエストを承諾して頂き本当にありがとうございます！！最高のお話でした！！ (1月24日 23時) (レス) id: 69c4e7e541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2022年10月7日 20時
