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外部からの攻撃 ページ34

翌日
やはり演習場で、試験は続いていた

周囲は相変わらず、生徒たちの歓声や声援で賑わっている

私はそれを、ぼんやりと眺めていた

いつもなら従者がいるが、今日は付いていない
唯は試合へ、俊は家で稽古を積んでいる

お陰で静かだ

演習場では、戦っていた生徒の試合が終わったところだった
監督官が、次の試合の生徒の名前を呼ぶ

「一年九組・一瀬グレン。前へ」

どうやら次はグレンの番らしい

だが、グレンは動かない
代わりに深夜が前に出て行く

それを見て、生徒たちが騒めく

美十や五士がグレンに何かを言っている
その表情には、嫌悪感が浮かんでいた

何事かと思い、彼らに近づく

「どうしたの?」

私の問いに、五士が答える

「征志郎様に従者をボコボコにされたのに、辞退するんだとさ」

彼の言葉に、やっと状況を理解する
美十も言う

「Aも何か言ってやってください‼」

私は彼女の言葉に苦笑いを浮かべる

何か言えって言われてもなぁ
生憎、私には彼に言える言葉を持っていない

だから、こう答えた

「別に辞退してもいいんじゃない?」

「あなたまで何を言って……」

驚いた顔でこちらを見てくる美十
だが私は気にせずに続ける

「本人が決めたことなんだよね?なら、僕たちがとやかく言う筋合いはないでしょ。彼が出たところで、征志郎様に嬲り殺されるだけだよ」

「その時は俺たちが止めれば……」

「相手は柊。ここでは柊が絶対だ。その柊に逆らう気?」

「………」

それに、二人は押し黙る
その二人に追い打ちをかけるように言う

「そんなに言うなら、こうなる前に彼女を助ければ良かったのに。何で昨日、君たちは助けなかったの?」

「っ、それは……」

何か言おうとする五士に、優しく笑いかける
そして言った

「勝手な自己満足を、他人に押し付けるんじゃねぇよ」

私の言葉に、周りの奴らは静まり返った

しまった、口調が荒くなった
気をつけないと

自分の行いに反省していると、何か強い違和感を感じた

場所は、空だ
するとそこには赤い光が見えた

それが一直線にこちらへ向かってきている

外部からの攻撃だ
『帝ノ鬼』に攻撃しようとするのは、あそこしかない

「《百夜教》か」

敵組織の名を、小さく呟く

そこで、グレンが美十の肩を押す
更に彼女は後ろの五士にぶつかる

二人は後ろへ倒れていきながら、

「うおわっ、なんだ⁉」

「あなた!いったい、何を……」

が、彼女の言葉はそこまでだった





赤い光が、着弾した

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もちもち - 依鶴さん» コメントありがとうございます!ご期待に添えれるかはわかりませんが、頑張ります! (2017年2月25日 18時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
依鶴 - プロローグから惹き込まれました!とても楽しみにしてます! (2017年2月24日 16時) (レス) id: b2da2b82b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2017年2月22日 14時

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