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02 ページ32

しばらくして、俊の名前が呼ばれる

「一年二組・水無月俊。前へ」

それに、俊が前へ出る
次に私の名前が呼ばれた

「一年九組・暁A。前へ」

私も前へ出た
それを確認し、監督官が注意事項を告げる

試合終了の合図について
相手を殺したら評価が下がることについて

その間に、俊が常備していた刀を抜く

彼が属する水無月家は、刀剣を使う家柄だった
その実力は相当なものだ

同じクラスの美十や五士ほどが相手なら、余裕で勝ってしまうだろう

それほど、彼は強い

しかも彼は本気でかかってくるのだと言う
勝てるかどうか、不安になってきたよ

……勝つ以外に、選択肢はないのだけど

私も常備していた刀を抜く

そこで、監督官は言った

「始め!」

刹那、私たちは動き出す

開始数秒の間で、何十回も刀がぶつかり合う
彼の斬撃は速く、重い

それを受けながら、僕は笑みを零してしまう

「随分と余裕そうです、ね!」

そこで彼は、こちらに呪符を投げつけてくる
私はその呪符を切り裂きながら、一歩前に出て彼の心臓を狙う

だが、すんでのところでそれは防がれる

だが私は止まらない
刀を持っていない右手で、彼の顎に掌底を当てようとする

それを俊は避け、ついでに私の左腕に蹴りを入れてくる
その蹴りを肘で受け、そのまま刀を彼の首に刀を当てようとするが間に合わない

俊は数歩下がり、体勢を立て直してしまう
私もそれに一歩下がり、体勢を立て直す

そしてその全てが、ほんの刹那の出来事で

今の動きを全て把握できたのは、相当な実力者だろう

「前よりかなり強くなってない?僕、いつの間にか抜かされちゃいそうで怖いよ〜」

「いつの間にか、というか、もう抜きますから」

「あはは」

私の従者って、こんなに生意気だったっけ?
まぁ、そちらの方が張り合いがあるけれども

そこで、僕は動く

彼との間合いを一気に詰め、刀を振るう
彼はそれを刀で防ごうとしたが、その前に大量の殺気を放つ

それを間近で感じた俊が、怯む

その瞬間を狙い、彼の刀を弾き飛ばす
ガンッという、刀から出る音とは思えない音が出た

刀が宙を舞い、地面に突き刺さる

それと同時、私は俊の首に刀を突きつけた

これで、試合は終わりのはずなのだが
いつまで経っても、終了の合図が出ない

「……監督官?」

私が呼び掛けると、監督官がハッとしたような表情を浮かべた
それから、勝者の名前を告げる

「勝者・暁A‼」

瞬間、耳を劈くような歓声が辺りに響いた

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もちもち - 依鶴さん» コメントありがとうございます!ご期待に添えれるかはわかりませんが、頑張ります! (2017年2月25日 18時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
依鶴 - プロローグから惹き込まれました!とても楽しみにしてます! (2017年2月24日 16時) (レス) id: b2da2b82b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2017年2月22日 14時

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