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「ちょ、そんなこと……」
深夜の言葉に、唯が反論しようとしたが、その前に俊が彼女の口を塞ぐ
やはり俊は優秀な従者である
征志郎が笑う
「はは、なんだ。結局そうか。一瀬の人間はいっつもクズばかりだな」
それにまた、征志郎の取り巻きたちが笑う
他の生徒たちも笑い出した
征志郎が踵を返す
「もういいや。つまんねぇ。行こうぜ」
やはり生徒たちは笑っている
一瀬の弱さや無能さを言い立て、笑っている
廊下に出てきていた五士が、憐れむような目でグレンを見る
「あーらら、ほんとのクズになっちゃったな」
更に美十ちゃんも言う
「……抵抗もしないで、あんなことを言われて、あなたは悔しくないんですか?」
怒ったように彼に言う
しかしグレンは、困ったように答えた
「家から、柊家の方々には逆らうなと……」
「なら、死ねと言われたら死ぬんですか!」
彼女はそう怒鳴った後、去っていってしまう
その頃には周りにいた生徒たちも、興味を失ったのか立ち去り始める
だが、深夜はまだグレンを見つめていた
「ほんとつまんねぇ奴だな、おまえ」
「………」
「もういいや。おまえ、二度と僕に話しかけるんじゃ……」
「話しかけてきたのは、おまえだ」
彼の言葉を遮ってまでいう言葉がそれかよ
これだとまた状況が悪化しそうだ
「ああ、そうだな。じゃあ真昼にも近づくな」
「………」
「おまえにその資格はねぇよ。だいたい、そんななんの覚悟も、力もない奴が、この学校に来るべきじゃ……」
これ以上はなんだか聞いていられなくて、私は口を開いた
「まぁまぁ、深夜もそれくらいにしときなよ。これ以上責めてもしょうがないしさ」
「………そうだね」
深夜は大きく息を吐く
それから気を取り直したように笑った
「じゃあA、また明日ね」
そう言って、彼は私の肩を軽く叩き、背を向ける
彼の背中を見送った後、私はグレンを見る
そして聞いた
「ちょっと、聞きたいことがあるんだけどさ」
「………」
「こんなに我慢をする必要はあるの?」
「………」
彼は何も答えない
私はそれに、肩を竦めた
彼の考えは到底理解できそうにない
別に、する気もないが
「主様。そろそろお時間です」
「ああ、そうだったね。じゃあまたね、グレン」
私はグレンに手を振り、この場を後にした
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もちもち - 依鶴さん» コメントありがとうございます！ご期待に添えれるかはわかりませんが、頑張ります！ (2017年2月25日 18時) (
レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
依鶴 - プロローグから惹き込まれました！とても楽しみにしてます！ (2017年2月24日 16時) (レス) id: b2da2b82b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2017年2月22日 14時
