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墜ちた二流 ページ28

「さーてさて、明日からついに、選抜術式試験週間が始まります‼」

教師が黒板を叩き、言った

選抜術式試験というのは、生徒同士を戦わせ、優劣を決める試験
簡単に言うと実技のテストだ

しかも、評価のかなりのウエイトをこの試験が占める

だからか、クラスの奴らは色めきたっている

血気盛んだなぁ
私にとっては、面倒なだけなのだが

女教師がまた黒板を叩く

「絶対に、他のクラスの奴らに負けないように!以上!」

そこで、ホームルームの終わりを告げるチャイムが鳴った

同時に生徒たちが立ち上がる
私も机の横に掛けてあった鞄を掴み、立ち上がる

すると背後から深夜が、

「あ、三人で一緒に帰る?」

と誘ってきたが、グレンが言う

「死ね」

それ、返答になってないよね
そう思いながらも、適当に笑っておく

それから教室の出入り口を見る
するともう、従者の二人がいるのが見えた

彼らの隣には、可愛らしい女子生徒が二人いた

私の従者たちと仲良さげに喋っている
彼らの友達だろうか

知らない女子生徒の二人が、こちらに気づく

「あ、あ、グレン様!」

茶髪の少女が手を振る
それに、彼女の隣にいた黒髪の少女が制す

「ちょっと、目立ったら殺すって言われてるのに、また怒られますよ」

どうやらあの二人は、グレンの従者らしい
二人とも随分顔立ちが整っている

……美形の周りには美形が集まるんだなぁ

なんてことを思う

そこで、私の従者が言う

「A様!早く帰りますよ。昨日の書類整理がまだ終わってないんですから‼」

「唯、落ち着いてください。かなり目立ってます」

目立つのはいつものことだから別にいいけど

仕事の話は出さないでほしい
思い出すだけで疲れるから

「はいはい、帰るよ〜」

従者二人を引き連れ、廊下に出る

そこで、強い殺気が自分に向けられているのがわかった
そちらに視線を向けると、見知った顔の人物がそこには立っていた

茶色い髪に、蛇のように細い目
唇にピアスをしており、不良みたいだ

彼の憎悪に満ちた視線を受けながらも、私は笑う

「柊征志郎様。お久しぶりですね」

「……久しぶりだな。相変わらずムカつく顔をしてやがる」

堂々と毒を吐かれる
それに俊が動こうとしたが、制す

ここで面倒ごとを起こしたくない
無駄に時間が過ぎるだけだ

そう思い、私は言った

「あはは、では私は用事があるのでこれで」

そして彼の横を通り過ぎようとする
だが次の瞬間、征志郎は私の側頭部に蹴りを放つのが見えた

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もちもち - 依鶴さん» コメントありがとうございます!ご期待に添えれるかはわかりませんが、頑張ります! (2017年2月25日 18時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
依鶴 - プロローグから惹き込まれました!とても楽しみにしてます! (2017年2月24日 16時) (レス) id: b2da2b82b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2017年2月22日 14時

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