狭間 ページ3
目を開くと、そこは奇妙な空間だった
全てが真っ白だった
天も、地も、地平線も、見渡す限り真っ白な世界
「……死んだのか」
ぽつりと呟いた
すると、声が聞こえた
《残念、君はまだ死んでいないよ》
どこから響く声かはわからない
頭の中に直接語りかけられているような声だった
「誰?」
聞くと、声は言った
《ふふ、さて、誰だろうねぇ?》
答える気はないらしい
だから、次の質問をした
「ここは何処?」
今度は答えてくれた
《ここは、あの世とこの世の狭間だ》
「ふぅん。で、君は何か私に用があるの?」
私の問いに、声が答えた
《これから君には、別の世界に飛んでもらおうと思うんだ》
別の世界
それは一体、何処のことだろう
《それは行ってからのお楽しみさ》
どうやら声は私の気持ちが読めるらしい
だが、そんなことはどうでもいいので、問答を続ける
「何故私は別の世界へ飛ばされる?」
声は答えた
《君は、僕のお気に入りだから》
するとそこで突然、私の目の前に一人の青年が立っていた
白銀の髪に、黄金色の瞳
美しい男だった
「お気に入り、ねぇ。私に好かれる要素なんて何もないと思うけど」
《あるよ》
「じゃあ言ってみなよ」
《でもどうせ、ここでの記憶は直ぐに消えるから、言っても意味がない》
私は彼を見つめる
彼は少し悲しそうに笑っていた
《僕の名前も、もう覚えていないだろう?》
つまり、私と彼は初対面ではないということだ
だが、一向に思い出せない
何か大切なことを、忘れているような気がした
彼は言う
《ああ、もう時間だ》
彼は微笑む
《次は良い人生を歩めると良いね》
そこで私は、また意識を失った
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もちもち - 依鶴さん» コメントありがとうございます！ご期待に添えれるかはわかりませんが、頑張ります！ (2017年2月25日 18時) (
レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
依鶴 - プロローグから惹き込まれました！とても楽しみにしてます！ (2017年2月24日 16時) (レス) id: b2da2b82b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もちもち | 作成日時：2017年2月22日 14時
