勧誘 ページ19
夜
時刻は十九時半
学校でのカリキュラムについての話を聞かされ、それからいくつかの呪術的な試験が、入学式を終えたばかりだというのに行われたあと、私たちは家に帰されていた
私たちが住むことになっている家は、学校から徒歩十分ほどの場所にある、高層マンションの一室だった
広さは五LDK
三人でも十分すぎる広さだった
そのリビングのソファに座り、私は読書をしていた
内容はある禁呪についてだ
興味深い話が沢山記載されていて、面白い
「A様、今日の晩御飯は何が良いですか?」
キッチンの方から、唯が聞いてくる
私はそれに、本に視線を落としながら答えた
「何でもいいよ」
すると、呆れたように俊が言う
「主様はそればかりですね。もう少し考えてくれても……」
私はそこで、彼らへと視線を向ける
そして微笑んだ
「君たちの作る料理はどれも絶品だからね。私一人では決められないよ」
「……もう、わかりました。こちらで考えておきます」
チョロいな
二人とも私のことが大好きだからねぇ
扱いやすくて楽だ
だがそこで、唯のこんな声が聞こえた
「あ、醤油が切れてる」
「なら僕が……」
『ちょっと待った』
私と唯の言葉が綺麗に重なった
俊はというと、不思議そうに私たちの顔を交互に見た
俊に行かせてはならない
彼は重度の方向音痴なのである
一人で行かせたら行方不明になりかねない
だから言った
「私が行ってくるよ」
「しかし……」
俊が引き止めようとするが、気にしない
財布持ち、唯に聞く
「醤油だけ?」
「はい。あ、でも塩も切れそうかも……」
「醤油と塩ね、わかった」
私はそれだけ答えると、すぐに家を出た
後ろから私を引き止める声がしたが、気づかないふりをした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちもち - 依鶴さん» コメントありがとうございます！ご期待に添えれるかはわかりませんが、頑張ります！ (2017年2月25日 18時) (
レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
依鶴 - プロローグから惹き込まれました！とても楽しみにしてます！ (2017年2月24日 16時) (レス) id: b2da2b82b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちもち | 作成日時：2017年2月22日 14時
