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グレンの反応を見て、深夜は笑う
「おっと、あっさり本性が出た」
「なんのことでしょう」
今更取り繕っても遅い
もう手遅れだ
「いやいや、別にいいよ。今日、すぐに仲良くなろうとは思ってないから」
「………」
「ちなみに真昼も、この学校に入ってるって、知ってた?彼女は優秀だから、新入生代表としてスピーチするらしいよ。すごいよねぇ。君の、元彼女は……」
柊真昼
柊家の中でも、とびきり優秀な人物だ
しかもかなりの美人だった記憶がある
「別に、真昼様と私は……」
「今は僕の許嫁だけどね」
「………」
刹那、グレンは言葉を止めて、少しだけ強い視線を深夜に向けた
だからそんな簡単に反応しちゃ駄目だって
当然、深夜がそれを見逃すわけがない
彼は挑発してくるとうに、言う
「どう?悔しい?」
「別に」
「はは、その顔。もう、野心を全然隠せてないよ。だから仲良くやろうぜ?言っとくけど、僕、そんなに真昼と仲良くないから安心してよ。柊の名前をもらっても、所詮は養子。本家の中で受けている扱いは、君がここで受けてるものと一緒だよ。もちろんムカつくから、全部壊してやろうと思ってるけど」
なんてことを、言う
だが、そう言う割にはそのことに関して興味を抱いていないように思えた
だとすればこれは、引っかけなのだろうか
確証は持てないが
グレンは顔を上げ、深夜から目を逸らす
「ちっ、ペラペラおしゃべりな野郎だな。俺の目的は、おまえとは違う。おまえがなにをしたいかは知らないが、俺を巻き込むな」
私は彼の態度を見て、笑う
「あれ、敬語やめるの?」
「うるさい」
私にも敬語をやめたらしい
そちらの方が気が楽だが
深夜が言う
「じゃ、友達?友達になる?」
「うるせぇって言ってんだよ」
「あはは。ま、いいけどね。どうせ君には、ここでは僕たちくらいしか仲間はいないんだ。だから仲良くなるしかないしねぇ」
それにグレンは、鬱陶しげにこちらを見た
そこで、女教師が言う
「では、そろそろ入学式の時間です。みなさん、行きましょうか」
生徒たちが立ち上がる
深夜も立ち上がり、言う
「じゃ、行こうか。僕ら共通の女神様のスピーチを聞きにさ
深夜はグレンに手を差し出す
「さあ行こうぜ、グレン」
それにグレンは顔を顰め、払う
「俺に、近づくな」
「はは、照れるなよ〜」
私が言うと、彼は更に顔を顰めた
やはり、その態度の方が好きだ
他の奴らは堅苦しすぎるからねぇ
そして私たちは、講堂へと移動した
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もちもち - 依鶴さん» コメントありがとうございます!ご期待に添えれるかはわかりませんが、頑張ります! (2017年2月25日 18時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
依鶴 - プロローグから惹き込まれました!とても楽しみにしてます! (2017年2月24日 16時) (レス) id: b2da2b82b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちもち | 作成日時:2017年2月22日 14時