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しばらくぼんやりとしていると、後ろから声をかけられた

「ねぇAくん」

私は振り返り、深夜を見る
相手は柊なので、教師は怒らないだろう

「何でしょうか、深夜様」

「あれ、暮人兄さんにはタメなのに、何で僕には敬語なの?」

私は彼の言葉に、一瞬顔が強張りそうになった

柊暮人
柊家の長男で、この学校の現生徒会長だ

彼は人間の心がないのではないのだろうか

と、思ってしまうほど冷酷な奴だ

「……君も敬語じゃない方がいいの」

「うん。その方が嬉しい」

暮人とは大違いだ
彼は養子だから、余計にそう思うのだろうけど

そこで、深夜はグレンに声をかけた

「ねぇ君」

「………」

「一瀬グレン君、だっけ?グレンって呼んでいい?」

彼が名前を呼ぶと、やっと一瀬君が反応した
そして聞いた

「私に、お声がけでしょうか?」

「なにその敬語?」

「柊家の方には逆らうな、と厳しく教育されております」

「そっか。そりゃ〜、つまんないな」

「申し訳ありません」

グレンは頭を下げる
そして再び窓の外を見ようとすると、

「でもさ、今朝おまえ、わざと僕の攻撃喰らったろ?」

「………」

「実力を隠すため?それって逆らう気満々ってことじゃないの?野心丸見えなんだけど?」

やはりバレていた
だから忠告したのに

「これは……申し訳ありませんでした」

「え、認めるの?」

思わず聞き返してしまう
彼は一瞬、こちらを睨みつけた後、続ける

Aちゃん悲しい

「ですが認めたのは野心の部分ではありません。ただ、柊家の方々からの怒りを買うな、と言われていたために、波風が立たぬよう攻撃を受けたのは事実です。実力を隠したわけではありません」

「そっか〜」

と、深夜はグレンを見つめる
そして彼に近づく

彼の耳元でなにか囁く

それからいつも通りのへらへらとした笑みを浮かべ、言った

「ま、いいけどね〜。でも、せっかく仲間がいるなーって思って期待してんだけどなぁ」

「………」

「僕も君と同じで柊が嫌いだから、一緒にこそこそ色々やれたら面白いなぁって、思ってたのに」

「………」

「あ、僕は柊の血は引いてないよ。養子だから。子供の頃から、柊に入るように育てられた、養子。だから柊家が嫌い。つまり君とは、仲間だ」

彼は続ける

「ちなみに僕の相手は真昼ね。柊真昼」

瞬間、グレンが反応した
彼は深夜を見る

……これはなんか訳ありっぽいなぁ

そう思いながら、彼らの話を聞いていた

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もちもち - 依鶴さん» コメントありがとうございます!ご期待に添えれるかはわかりませんが、頑張ります! (2017年2月25日 18時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
依鶴 - プロローグから惹き込まれました!とても楽しみにしてます! (2017年2月24日 16時) (レス) id: b2da2b82b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2017年2月22日 14時

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