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瞬間、あからさまに教室中が静まり返り、緊張するのを感じた
そして、

「あれぇ、なんでこんな静かなの?」

そんな声が、教室の後ろの出入り口から聞こえた
男の声だ

そちらの方へ視線を移すと、先ほど見かけた美青年が立っていた

女教師がそれに、緊張した声音で言う

「こ、これは深夜様、ようこそ私のクラスへ。深夜様の席はこちらで……」

が、遮って深夜は言う

「えー、嫌だよ、そんな前の席。A君もそう思うよね?」

おっと、盛大に巻き込まれた
何故、私に話を振るんだ

だが、そんなことは顔に出さず、微笑む

「ええ、そうですね」

「だよねー。僕、そっちの席がいいや。替わってもらえるかな?」

そう言って彼が指名したのは一瀬君の隣の席

いいなぁ、私も後ろの席に行きたい
授業サボれそうだし

「なっ、そんな……しかし……」

教師が慌てて止めるが、彼は気にしない
ニコッと笑って、一瀬君の隣に座っている女に言う

「ね?僕、ここがいいんだ。席替わってくれないかな?あ、君もA君と席替わってくれない?」

何故か私の席の手配までしてくれている
場所は深夜の前の席だ

できれば窓際がよかった

「あ、はい!もちろんでございます!」

「ただいま退きます‼」

などと言って、二人は慌てて立ち上がった
それに女教師が言う

「ですがそのようなネズミの隣に……」

深夜がそれを、半眼で遮る

「ねぇ先生。教師が教え子を、ネズミなんて言うのはどうかと思うよ?同じクラスの仲間同士。みんなで仲良くやらなきゃ」

「それは……」

そこで、彼らが退く

「ありがと。A君もおいでよ」

私は鞄を持ち、彼が指名した席に座る
そして、深夜が言った

「ああ、みんな、邪魔してごめん。ホームルームを続けてください」

すると女教師は、慌てて教壇の方へと戻り、ホームルームを再開させる

……あんなのが教師なんて、大丈夫なの?

と、言いたくなる
だが私はそれをグッと堪え、話の続きを聞き流していた

03→←深夜の教室



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もちもち - 依鶴さん» コメントありがとうございます!ご期待に添えれるかはわかりませんが、頑張ります! (2017年2月25日 18時) (レス) id: 0767b2f3df (このIDを非表示/違反報告)
依鶴 - プロローグから惹き込まれました!とても楽しみにしてます! (2017年2月24日 16時) (レス) id: b2da2b82b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2017年2月22日 14時

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