124.血の繋がりは無くとも ページ31
ぽんぽんと背中を叩きながら何度も『大丈夫だからね』と声をかけ続ける。そんなに時間は経ってないと思うが、やがて大人しく腕の中にいたグルッペンは小さく笑って私の背中に腕をそっと回した。
「お前には敵わないな」
『ふふ、私だってたまには役に立つんだからね』
そう、彼に笑いかける。
だけど彼は浮かない顔をし始め、何故か私を抱きしめたままゆっくりと倒れた。
天井とグルッペンが視界いっぱいに映り、するりと頬を撫でられる。
『…グルッペン？』
「…お前のその優しさがいつか、足枷になったりしないか不安だ」
ゆっくり倒れてきた彼はスリ、と胸に顔を寄せる。
グルッペンの言った言葉の意味が私にはわからず、私はどうすればいいか分からなくてただ彼の頭を撫で続けた。
※※
就寝時、猫の姿のロボロが一緒に寝たいと擦り寄ってきたので連れてベットに横になる。小さな彼の頬を両手で包みむにむにしていると、彼は懐かしいわと小さく笑った。
『懐かしい？』
「ん。俺な、兄ちゃんがおるねん」
ロボットのお兄さん？初めて聞いた話に興味が湧いて小さな体を抱き上げる。
「人狼のな、兄ちゃんがおるねん」
『人狼のお兄さんと、猫又の弟？』
「せや。血は繋がっとらんけど、大切な家族や」
ロボロの話によれば、それは私と皆のような関係らしい。血が繋がってるだけが家族じゃないもんね。きっとロボロにとって大切な人なのだろう。
「昔友達と一緒に出ていったきりなんやけどな、いつかまた会えるって信じてんねん」
『そっか…きっとまた会えるといいね』
「おん」
その時はAも仲良くしたってな！と笑うロボロの頭を撫で、やってきた眠気に抗わずに横になって瞳を閉じた。
※※
___そして次の日。
「やぁ、おはよう。よく寝れたかい？」
くられ先生に挨拶をして『ぐっすり』と答えれば良かったと微笑んでコーヒーを差し出してくださった。ありがたく受けとり寝ぼけた頭を覚醒させる。
「今日は僕用事があってね、家を空けるからお留守番をお願いしたいんだ」
インターホン鳴っても出なくていいからね、と言われたので頷いてキッチンを借りる。御礼に簡単な朝食を用意して席に着いた。
「グルッペン君達も用事で今いないって。昼過ぎには戻るらしいよ」
『わかりました』
早々に朝食を終えたくられ先生は「じゃあお願いするね」と言い残し家を出ていった。
1人静かな家に取り残され、私はボーッとテレビを見つめた。
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黒瀬(プロフ) - 小雨さん» ありがとうございます！この後の展開をどうするかで悩んでかなり遅くなってます。申し訳ありません！ (2020年7月26日 16時) (
レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - まさかniさんが人外やったとは…これからの展開凄く楽しみです！体調を崩さない程度に更新頑張ってください！ (2020年7月26日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 調味料さん» 久しぶりのコメントありがとうございます！出したいなぁ、と思ってたので無事出せて良かったです^^ (2020年6月27日 9時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
調味料 - 久しぶりにコメント失礼しまぁす。^r.a^な人外さんが出ててめっちゃ嬉しかったです、ありがとうございます(土下座)これからも更新頑張ってください〜 (2020年6月25日 21時) (レス) id: 06d5180623 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - わたあめ@りんご桜さん» ありがとうございます！全員出演予定なのですが、人数が多いので中々難しいんですよね(--;)何とか上手いこと出して行けたら、と思います！ (2020年6月14日 10時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
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